花のお江戸のミステリ- (Little Selectionsあなたのための小さな物語 7)
花のお江戸のミステリ- (Little Selectionsあなたのための小さな物語 7) / 感想・レビュー
へくとぱすかる
岡本綺堂の半七を初めて読む。第一作「お文の魂」(1917)の新しさに驚く。「ストランド・マガジン」の愛読者・綺堂が、和製シャーロック・ホームズを、あえて江戸時代に設定したことが、巨大ジャンルの出発点につながった。今も別格扱いで愛読されている理由がわかる。捕物帖に限らず時代劇も含めた元祖。江戸風味はミステリとしての必要分だけで、控えめである。地味かもしれないが、これは今後愛読してみたいシリーズ。他に野村胡堂の平次エッセイ、石ノ森章太郎の佐武と市は映画的で斬新。時代もの嫌いでも楽しめる。都筑道夫もトリッキー。
2021/02/04
ochatomo
赤木かん子さん編のアンソロジー第7巻 江戸の姿をおもしろく伝えたいと始められた捕物帳という日本オリジナルミステリーの第1作(1917(大正6)年)を収録 岡本綺堂氏「お文の魂」、都筑道夫氏「小梅富士」、野村胡堂氏エッセイ「“銭型平次”誕生」、石ノ森章太郎氏マンガ「おくり火」 2001刊 なおミステリー始まりは1841年「モルグ街の殺人」
2019/12/18
サトゥルヌスを喰らう吾輩
岡本綺堂が描く江戸の町をうつくしいと思う一方、最後に読んだ物語の「センセー」がどうしても好きになれず(セクハラ発言に引いてしまいました)乗れないまま終了という印象です。残念なことに、「リトルセレクション」はしばしばそういう引っかかりを覚えるかも。作品のオリジナリティを尊重する姿勢は支持しますが、「こどものため」のアンソロジーならば、問題のある表現にはある程度注釈を入れたりしないとちょっと足りないのではないかなと思います。少なくとも、わたしはこのシリーズを一言の説明もなしにまるっとこどもには手渡せない……。
2016/09/03
花々
江戸を舞台とした、赤木かん子さん選りすぐりの四編。私の好きな岡本綺堂先生を初め、どの作家さんの話しもさすが!はずれ無しでした。捕り物劇、実に面白いですね~!これをきっかけに、都築道夫さんのシリーズが気になり、読んでみたくなりました。
2016/01/25
ナオクーラ
知らなかった珠玉の名作を拾い上げてくれる、このシリーズにはずれ無し。素晴らしい!岡本綺堂の「半七捕物帳」、野村胡堂の「銭形平次」、石ノ森章太郎、都筑道夫と、名前は知ってるけど読んだことない作品がつまみ食い出来てお得!特に野村胡堂さんの銭形平次が出来るまでの小話は当時の風俗や作家の人間関係が垣間見えて面白かった。捕物帳シリーズがブームになった時代があったのね〜。
2012/01/02
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