恐怖 (Little Selectionsあなたのための小さな物語 22)
恐怖 (Little Selectionsあなたのための小さな物語 22) / 感想・レビュー
じょうき
図書館本。「名探偵のままでいて」で題名が登場した「猿の手」を目当てに読む。ごく短い物語にホラーのエッセンスが凝縮されている。欲望が転じて不幸になるというだけで終わらない。猿の手の信憑性がわからないまま、死者が訪れてきたのかもしれないという恐怖。ましてそれが肉親であれば、会いたいという気持ちとおぞましいという気持ちの葛藤が相まってなんとも言えない気持ちにさせる。さすが古典と呼ばれる作品。他作品は人間の醜さに焦点が当たり、いわゆるホラーではないと思うが、その感覚が怖い、と思わせる粒ぞろいの作品集だった。
2023/06/12
ochatomo
赤木かん子さん編のアンソロジー第22巻 ホラー4編 柴田よしき「切り取られた笑顔」、サマセット・モーム「園遊会まえ」、フィリパ・ピアス「ハレルさんがつくった洋だんす」、ジェイコブス「猿の手(金原瑞人さんの新訳)」 2003刊
2021/01/04
花々
このシリーズを大絶賛していた私ですが、今回の恐怖においては何かちょっと。。。名作と名高い『猿の手』目当てでしたが、なんとなくイマイチでう~ん。その他も、理解しにくいというか、話しがひねってあるのか分かりにくく、飽きてしまい所々飛ばし読み。合わなかったようです。
2016/02/02
nashi
この世ならぬものの恐怖に絡めて(ピアス、ジェイコブズ)、あるいは生ける人間そのものの怖さとして(柴田、モーム)、女性の闇を描いた4篇。女性を取り巻く時代状況や環境が女性を壊していくとき、あらわれてくる怖さが描かれていると感じた。最も戦慄を感じるのはやはり有名な「猿の手」だけれど。幕切れに向かって高まる焦燥感が巧みだ。
2011/09/24
ねちゃぴん
「猿の手」はさすがにおもしろかった! 「園遊会前」は、冒頭何ページかまで人物たちの関係性が分からず、ちょっと入り込みにくかったなあ。
2024/09/15
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