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やがて目覚めない朝が来る

やがて目覚めない朝が来る

やがて目覚めない朝が来る

作家
大島真寿美
出版社
ポプラ社
発売日
2007-11-01
ISBN
9784591100011
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やがて目覚めない朝が来る / 感想・レビュー

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静かだった。物事について、激情も理由も何も語られない。故人を慈しむ、思い出を観ているからなのだろう。ふと手に取り少し捲ってみると、主人公の名前が私と同じ。何の気なしに、軽い気持ちで読み進む。やがて目覚めない朝が、誰にでもくることをすっかり忘れて。田幡さんやミラさん、蕗さん達に、私も多くのことを教わった。そして現実にも、周りに何かを教わりながら生きている。感謝でいっぱいです。きっと私はしばらくすると、この本で読んだ内容を忘れてしまうのだと思う。でも、それでいいんだとも思う。この静けさを、覚えているのならば。

2013/01/19

おれんじぺこ♪(16年生)

とても静かに、淡々と物語がすすんでいく。小さい頃から大人に囲まれて育った有加。それもかなり個性の強い大人たち(笑) 路さんの薔薇に対する思いのところで薔薇が好きだった母を思い出した。「やがて目覚めない朝」のためにお部屋を薔薇でいっぱいにできたら幸せだったのだろうな。そんなこと、気付きもしなかった。できなくてごめんね・・。

2013/04/10

tokotoko

蕗さんという元舞台女優の祖母をもつ有加。その有加の周りで、のびのびと生きる大人達の人生を綴った一冊。有加の、子どもをはるかに超越した考え方にも驚いたけれど、好き勝手生きる大人達の自由さ加減が爽快!自由で、とてもシンプル。生活を大事にし、大事な人を大事にし、最後まで、自分を貫く。強い人も弱い人もいて。でも世間体や人目に流される人は1人も出てこなかった。ずっと空気が澄んでいた。読後、きっと私、世間からずれてるけど、気にしなくてもいいやー、人にがっかりされても気にしなくてもいいやー、と思った。心が楽だ!!

2013/09/29

銀河

不思議な世界観でした。なーんかふわふわぁっとして…。感想が書きにくい話でした。祖母、嫁である母親と住む有加。彼女の学校生活や恋や結婚相手などの描写は全くなく、家族や、血の繋がりがなくても家族同然の人たちとの毎日が綴られていきます。最初は私たちの生活素敵でしょ、って自慢されてるんじゃないかと不快感がありました、心の狭い私。しかし父が自分の気持ちを語るあたりからよくなってきて、田幡さん、一松さんの思いに泣けました。どんな人にも等しく訪れる目覚めない朝、老いるということ、いろいろ考えさせられました。

2011/07/26

ち~

両親が離婚し、父は姿を消した。母と小学生の有加は、父方の祖母、蕗とともに暮らすことになった。一見、不和が起こりそうな組み合わせだけど、これが不思議としっくりとくる、良好な関係だ。舞台女優だった蕗の当時からの友人達に囲まれ、その生き方を見聞きしながら有加は成長する。そして蕗と共に、父の最後の姿を見る。終盤に差し掛かかった時、改めて表紙とタイトルを見てみると、この物語の情景がさらに沁みてきた。皆の、有加の父親をめぐるシーンが印象に残った。

2018/02/06

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