教科書に載った小説
教科書に載った小説 / 感想・レビュー
はる
高校や中学の国語の教科書に載った短編12作。どれも手頃な長さで読みやすい。こういう本でなければ手に取ることもなかったろうな、という作品ばかりだが、どの作品も個性的で胸に残る。松下竜一「絵本」吉村康「父の列車」が好みだが、広津和郎「ある夜」のゲジゲジの話や横光利一「蠅」の独特の世界観も印象に残った。
2023/10/26
とよぽん
過去に、中学・高校の国語教科書に載った短編小説が12篇、収められている。いくつか、かつて授業で読んだものがあり、懐かしかった。映像の仕事をしている編者が、どうして? と思ったが、それは「あとがき」で明かされる。とにかく、短編の名作がずらり! 不意打ちを食らったかのように、直球の感動がくる。三浦哲郎の「とんかつ」、吉村康の「父の列車」など、今の生徒たちにも読んでほしいものがあった。
2018/10/08
里季
この本には、昭和47年から平成18年の中学と高校の国語の教科書に載った小説がいくつか編まれている。国語は、教育の基本中の基本である。教科書に乗せるには、長すぎてはいけないし、短い中にもその作品から何かを学び取れるようなものでなくてはならない。教科書の編者の苦労がわかる気がする。さて、12編の作品はどれをとっても珠玉の作品と言ってよいだろう。こうして、すぐれた作品を読んでいると、つくづく日本人に生まれてよかった、と思うのは、少々大げさにすぎるだろうか。良書に巡り合えた。
2013/10/17
Shoji
「教科書クロニクル」という面白いサイトがあって、小中学時代の教科書に載っていたお話を検索することが出来ます。その教科書クロニクルを面白がって検索している時に、この本を知り、早速読んでみました。感動するお話から、旧仮名遣いの難しいお話、さらにはブラックなお話まで多岐です。編者が言うには「誰かが、人が育つ過程に於いて通過させたかった小説」とのこと。私が子どもの頃、どんな気持ちで国語の教科書を読んでいたのであろうか。そして、それが人格形成に役立ったのであろうか。人生、折り返し点を過ぎてもなお分からないでいる。
2023/10/10
森の三時
教科書に載った小説、というタイトルに惹かれる年齢になりました。図書館で見かけ、懐かしさを求め手に取りました。同じテーマのアンソロジーではないのに、つまり、いろんな作家のいろんな小説なのですが、バラバラに感じません。おそらく、「中高生の国語の教科書に載る」という類の本に共通する匂いが漂っているからだと思います。私の習った教科書に載っていた小説はなく、懐かしさを味わうことは叶いませんでしたが、大人が10代に読んでもらいたいと思うお話ですから、味わいのあるものが多くて、読んで後悔はしません。試験もないですし。
2016/10/19
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