([た]1-3)感傷旅行 Tanabe Seiko Col (ポプラ文庫 た 1-3 Tanabe Seiko Collection)
([た]1-3)感傷旅行 Tanabe Seiko Col (ポプラ文庫 た 1-3 Tanabe Seiko Collection)
- 作家
- 出版社
- ポプラ社
- 発売日
- 2009-02-02
- ISBN
- 9784591108352
([た]1-3)感傷旅行 Tanabe Seiko Col (ポプラ文庫 た 1-3 Tanabe Seiko Collection) / 感想・レビュー
遥かなる想い
第50回(1963年)芥川賞。 ぼくと 有以子さんの物語である。 男に次々と惚れてはフラれていく歳上の 有以子さんと ぼくとの関係が 読んで楽しい。 軽薄な内容を、軽やかに軽薄に描いたこの物語、党員ケイの立ち位置が 時代を感じさせる本だった。
2017/08/10
ヴェネツィア
1963年下半期芥川賞受賞作。田辺聖子は初読だが、この人に対するステレオタイプ的なイメージは持っていた。それからすれば、芥川賞作家だというのは意外だった。オオサカの放送界の男女が主人公だが、それに対置されているのが、線路工夫で共産党員のケイだ。ただし、ここで語られる「党」は時の世相を反映してはいるものの、きわめて図式的だ。倉橋由美子の「パルタイ」(1960年。芥川賞の候補にはなるが落選)が直ちに連想されるのだが、その後も含めてこの両者の階梯は大きい。世界や世間に対する向かい方が決定的に違うのだろう。
2014/01/21
kaizen@名古屋de朝活読書会
芥川賞】一瞬自伝かとも思う。物書きの女性と若い友達が主人公。惚れやすい女性の一時の感傷旅行。日常生活と作品上の架空の話が交差しているような錯覚に陥る。著者が大阪生まれだから、場面が大阪であることがしっくりする。
2014/10/28
優希
第50回芥川賞受賞作を含む4編からなる短編集です。どの作品も旅がテーマ。それぞれの作品が乙女心や女性としての感情を刺激してきました。表題作『感傷旅行』は失恋小説ながらも何故かほっこりします。実らない恋をし、その傷心から親友のヒロシと旅に出る有以子がちょっとイタいですが、それすらユーモアに感じます。終始ワガママで自分勝手な有以子ですが、そのパワフルさには惹かれました。他の作品でもそれぞれの想いを抱え旅に出る様子が軽やかでした。嫌なことは旅に出てリフレッシュというスタンスがいい。この爽やかさが好きです。
2015/07/21
優希
旅がテーマの短編集。何度読んでも可愛さとユーモアを感じます。様々な想いをこめて旅に出る男女の物語。爽やかな風が吹き込んでくるようでした。おせいさんの描くチャーミングな登場人物たちも魅力です。
2024/05/17
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