([た]1-5)欲しがりません勝つまでは (ポプラ文庫 た 1-5)
([た]1-5)欲しがりません勝つまでは (ポプラ文庫 た 1-5) / 感想・レビュー
優希
明るく描かれていながらも、内容には衝撃を受けました。文学少女であったおせいさんが、戦争という過酷な中で過ごした多感な時期を語っています。物語を愛し、作家を夢見ていた少女でありつつ、軍国少女であらねばならなかったという運命が刺さりました。時代は純粋な心をも洗脳していくのに怖さすら感じます。人生25年と思えれば良い方だと考えてしまうことを初めて知らされました。普通の生活を普通に描いていながらも、戦争の時代背景が物語る風景がある作品です。
2018/04/11
はらぺこ
同級生や他人を見下してる所を読むとイヤな気持ちになったけど、女学生当時に書かれた『少女草』を写真で見ると同級生をバカにしてても仕方ないかなぁと思った。 自分の集中力の無さが原因と思いますが、当時の作品の抜粋と粗筋、現在の視点と当時の視点が気を抜いて読んでるとゴッチャになった。 こういう作品を読むと言論統制を言い訳に戦前から生き残ってる新聞っていい加減やなぁと思う。現在でも(ほんまかいな)と思わなアカンて事でしょうね。
2011/11/21
とも
今年お亡くなりになられた田辺聖子さんの少女期の自伝的小説。戦時下、田辺さんが何を考え、何を感じ思い過ごしたか。悲壮に暮れる事もなく、戦争を受け入れ祖国の為に死ぬ覚悟を備えながらそれでもコツコツと大好きな小説を書き綴る日々。そんな少女期に書かれる小説の内容も、その時々に読んだ本や時勢に大きく感化されている。 ジャンヌ・ダルクに憧れ、ヒットラーを敬愛し、天皇に、皇国に命を捧げる覚悟を持つ少女。 田辺聖子さんの物書きとしての土台が形成される所以が書かれた一冊。 合掌。
2019/11/02
双海(ふたみ)
中原淳一の表紙絵で即買い。”私はこのころ、大川周明の『日本二千六百年史』や『日本精神研究』などを読んでいて・・・”というところはよい収穫でした。愛国百人一首の話も興味深かったです。
2014/03/14
馨
軍国少女だった作者の青春時代の戦争体験、学生生活などさまざま書かれていました。国民目線の戦争の書物ってあんまり好きじゃない(軍人を悪く言うことも多いので)のですがこの作者は終戦まで皇国日本が負けるわけがないと信じ、国の為に何かしたいと強く思われていたといことで、子供(10代後半ですが)の方が純粋な気持ちで国を憂う方が多かったのかなと思いました。空襲のシーンは残酷ですね。経験を著してくれる年代の方がどんどん減っていく昨今だからこそ伝えられる人が伝えていかなきゃいけないと思います。
2013/05/06
感想・レビューをもっと見る