([た]1-7)無芸大食 Tanabe Seiko Col (ポプラ文庫 た 1-7 Tanabe Seiko Collection)
([た]1-7)無芸大食 Tanabe Seiko Col (ポプラ文庫 た 1-7 Tanabe Seiko Collection)
- 作家
- 出版社
- ポプラ社
- 発売日
- 2009-10-10
- ISBN
- 9784591111963
([た]1-7)無芸大食 Tanabe Seiko Col (ポプラ文庫 た 1-7 Tanabe Seiko Collection) / 感想・レビュー
優希
面白かったです。食べることと料理が好きなのだなと伝わってくるような短編集でした。食べ物と人が織りなす恋物語はどれもこれも幸せな気分にさせてくれます。恋に美味しいものは必要不可欠ということなのでしょうか。
2018/06/28
kaoriction@感想は気まぐれに
あぶたま を食べたくなった。ワイセツなあぶたま。ハハ。男と女、それぞれの人生模様と食にまつわる物語を集めた5つの短篇集。いわしのてんぷら、オムライス、素うどん、茹で豚…。昨今はお聖さんの言う「新しい料理小説」流行りではあるけれど、私はお聖さんのような地に足の着いた作品が好きだ。この短編集は中年以降の男と女の物語。その距離感、独特な間合いに、年をとるのも悪くないな、と思う。「人間、正しく生きたらあかんなあ」という力の抜け具合、私も持ちたい。食べて、寝て、仕事して、悩んで。そんなフツウの暮らしが実は一番幸せ。
2014/09/24
四野一二三
再読。表題作の無芸大食が一番好きで、お腹がすいた時に必ず思い出す作品。いっそ下品とも言える衣の分厚い天ぷらやぼってりとした卵焼き、味の濃い惣菜の数々、目の前にずらっと並べられ、たっぷりの時間をかけて租借し、飲み込み、やがて緩やかに、あまやかな脂肪へと変わる。幸福とは、ごく単純に、うっすらと赤くのっぺりと白い脂肪のように日々を囲む惰性のようなものなのかもしれない。
2016/04/21
たらこりっぷ
自分はもう十分にオトナだと考えていましたが、大間違いであることを実感。このお話に出てくるようなお付き合いは到底真似できません。まだまだ修行が足りませんね。枯れきっているわけでなく、ガツガツ貪るわけでもなく。こんなオトナになるにはどんな努力が必要なんだろうかと、考え込んでしまった次第です。ポプラ文庫の幅の広さにも感心しました。
2012/07/19
Sakana
これまた食べ物をテーマにした短編集。田辺聖子の語り口がとてもすきだ。関西弁が心地よいのもあるが、なんといっても男と女が軽やかでさっぱりしているのが好ましい。私は「痴話」や「業務連絡」ではなく「会話」のできる女でありたいな。そしてそういう相手と共にありたい。でも業務連絡だけの夫婦関係に陥るなら、私は永久にシングルでいいや。気ままにおおらかに性と酒と食事を愛していきたい。いつかは妥協しなくてはならない時がくるのかもしれないけれど。
2016/02/17
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