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四十九日のレシピ

四十九日のレシピ

四十九日のレシピ

作家
伊吹有喜
出版社
ポプラ社
発売日
2010-02-16
ISBN
9784591115350
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四十九日のレシピ / 感想・レビュー

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さてさて

『それが生きている妻を見た、最後だった』という先に続く『四十九日』へ向けて『レシピ』を遺した妻・乙美の深い愛情を感じるこの作品。伊吹さんらしい優しさの感情が凝縮されたどこまでも優しさに満ち溢れたこの作品。『四十九日の間、誰もが答えを探し続けていたのだ』というその先に、この世に遺された者達が、その先へと続く人生に力強い一歩を踏み出していく様を見るこの作品。『私ね、思い出した。レシピってお父さん、処方箋って意味もあったね』と『レシピ』という言葉に込められた妻・乙美の深い愛情に胸が熱くなる素晴らしい作品でした。

2022/01/22

yoshida

最愛の妻、乙美が急逝し生きる気力を失う熱田。熱田の娘、百合子も夫の不倫と不妊に悩み熱田の実家に戻る。そこに乙美の教え子の井本が現れ、乙美の残した「四十九日のレシピ」の存在を知る。レシピの力により生きる気力を取り戻してゆく熱田親子。ブラジル人のハルミ、熱田の姉の珠子、百合子の義母。外で読んでなかったら泣かされたでしょう。色々な立場の人々の悩みと救済が詰め込まれた一冊。上手くまとめた作品かもしれない。しかし、この一冊から得られる感動は確かなものである。一気読み。映画も見たいな。

2014/12/06

kariya

亡くなった人の魂は四十九日の間、身近な人々の傍にいるという。明るくて料理上手な母が突然死んだ。呆然と我を失ったままの父の元へ、先妻の子である娘が離婚の危機と共に帰ってくる。母の遺言を言い付かったという金髪のヤマンバギャルや、言葉の通じない異国の青年も闖入し、物語は故人の望んだ四十九日の「宴会」を目指す。完璧な善人はいないけど、完璧な悪人もいない。笑って泣ける宴会も結末の一つも、夢物語かもしれない。けれど、世の中にはこういう「優しいお話」があっていい。

2010/03/21

よこしま

【Re-Born.生まれ変わる】泣けて、泣けるほど感涙しちゃいました。私はまだ親が亡くなっていないので、その時の哀しみが分かりませんが、例え血が繋がっていない継母でも、こんなに愛される人はいないでしょうね。夫・良平や娘・百合子もドン底を彷徨っていたのに、ガングロ少女・イモとブラジルの青年・ハルミの支えで四十九日には、跳箱の板を跳び越えられるように、笑えるように前向きになれていたのは、まさしく母の力です。手描きのレシピカード、宴会で最後は埋め尽くされた年表、最高です。そして最後は「ありがとう、良平さん」

2014/04/08

文庫フリーク@灯れ松明の火

スキスキ ダイスキ この物語。乙美母さん、略して乙母(おっか)さん。不器用な夫と娘に関わってくるヤマンバメイクのイモさん、国籍不明なハルミくん、ダーリンと百合っちの為に遺した二人とレシピ。家族や周囲の目線通して間接的に描かれる乙母さんが却って魅力的。くすくす、にやりと笑いながら引きずり込まれ、何時しか家族って、夫婦って、自分て何だろう。大事なことって何だろうと考えさせられます。号泣ではなく『世の中は無数の匿名のテイクオフ・ボードで成り立っている。お互いさま』の言葉がじん、と胸に落ちるのです。→続く

2011/07/07

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