(P[こ]2-2)ガラスの森 (ポプラ文庫ピュアフル こ 2-2)
(P[こ]2-2)ガラスの森 (ポプラ文庫ピュアフル こ 2-2) / 感想・レビュー
優愛
妖精は、彼女は。感情も何もない無機質なガラスの森を抜け出して彼と結ばれたかった。その先に待っているのが別れだったとしてもその手を取り合い、同じ世界で生きていきたかった。でも寂しくはない。日常に消え、溶けていく愛すべき細部に彼と彼女の姿があるから。言葉を持たない、復唱することしかできない愛しい妖精はやっと見つけた。自分の想いと言葉を。この森を抜け出せば戻れなくなる。それでもいい。彼女の物語の中ではシンデレラは未練なんて残さない。両方の靴を脱ぎ捨てて羽ばたいていく。その意味が恋の終焉だと私にはわかったから。
2015/02/01
miku
小手鞠さん初読み。フィギュアの中でもペアをやるカナと流。カナの咄嗟に言った『彼氏はいます』って嘘と、ペアとして練習を重ねるうちに流のことが好きになっていくカナの気持ち。カナの気持ちもわかるし、読んでるこちら側はもどかしい。素直になったら楽なのに、とはいってもなかなかなれないよね。私だって頭ではわかっていても気持ちがついていかなくて受け入れられなかったり、認めたくないことたくさんあるもの。中高生の年代なら尚更だよね。カナがこの先、もっともっと成長して素敵な人になってほしいって思いながら爽やかな気持ちで読了。
2014/07/03
わった
全体通してとても綺麗!!スケートに恋に文学と、綺麗なものがぎゅっと詰め込まれた小説。また小手鞠さんだから仕上げられた物語なんだなと思います。綺麗としか言いようがない。語彙力が乏しくてうまく伝えられなくて辛い…!
2016/11/08
波多野七月
初恋が「幸せ」だなんて、いったい誰が言ったんだろう。「好き」という思いは、いつだって苦い。自分を傷つけたスケートの世界に、再び戻ってきた少女・カナ。ペアの相手として出会った、強引な少年・流。思わず「彼氏がいる」と嘘をついてしまったカナと、カナへの思いを真っ直ぐにぶつけてくる流。次第に流に惹かれていくカナの、どうしようもない気持ちがただ切ない。初恋の苦さ、そして胸のつまるような思い。ラストの展開は、カナという少女の旅立ちのために必要だったのかもしれない。恋愛小説の妙手・小手鞠るいの幻の処女作。
2015/05/24
一五
少女フィギュアスケーター ペアを組むことになったスケーターへの想い、初恋? 甘々でしたぁ
2023/12/07
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