国性爺合戦 (橋本治・岡田嘉夫の歌舞伎絵巻(4))
国性爺合戦 (橋本治・岡田嘉夫の歌舞伎絵巻(4)) / 感想・レビュー
NAO
江戸時代初期、台湾を拠点に明朝の復興運動を行った鄭成功(国姓爺)の史実を題材にとった近松門左衛門の浄瑠璃は、鎖国状態の日本において大当たりとなり、歌舞伎でも演じられている名作。この本は、歌舞伎の名作を絵本にしたシリーズのひとつ。どの本も絢爛豪華だが、この作品は舞台が中国ということもあって、他の作品とはまた一味違う華やかさがある。ただ、華やかさを追求するあまりのオレンジ色の地色に白抜きの文字というのは、目がちかちかして読みにくかった。
2018/02/22
さつき
歌舞伎の世界を豪華絢爛に描いた大人の絵本。きらきらした絵とベタなストーリーに釘付けになりました。このシリーズ、色々出ているようなので、順番に読みたいと思います。
2017/09/21
ほりん
歌舞伎絵巻シリーズ4。「日本で生まれた中国と日本のハーフ青年」が、韃靼国に攻め込まれた明を救うために大活躍するというストーリー。主人公の国性爺(こくせんや)が実在の人物ということもあって江戸時代に大ヒットした作品だとのこと。明国の話とあって、衣装が煌びやか。挿絵が今までにも増して迫力があった。またこの物語では女性たちの活躍が印象に残った。国性爺はただ力で押していくばかりだが、勇敢な女性たちは忠義や情愛を胸に、時には冷静に、時には命がけで敵に立ち向かっていく。これもまたぜひ劇場で見てみたい一作。
2018/02/26
あずき
歌舞伎絵巻シリーズ、読了2冊目。日本と中国を股にかけて活躍する和藤内=国姓爺の物語。舞台が明の国ということもあり、とにかく絵が絢爛豪華。ストーリーも、途中で無念の死を遂げる人物もいるものの、最後は勧善懲悪に落ち着く。実際に舞台上ではどんな風に演じられるのか、ぜひ見てみたくなった。鎖国をしていた江戸時代、明は近くて遠い異国だっただろうし、漠然とした憧れもあったのだろうなぁ。私が当時の江戸に暮らしていたら、こんな現実離れした歌舞伎に夢中になっていただろうな。
2018/03/01
鮎
面白かったー!近松門左衛門すごい!和藤内の問答無用の豪傑ぶり、小睦の負けん気、渚の天晴。甘輝の血滲む決意と錦祥女の健気も忘れ難い。全編ドラマチックで息吐く間もない矢継ぎ早の展開ながら、読み手を混乱させない橋本さんの語りと、うねるように押し寄せる岡田さんの艷やかな色、線、華。日本と明を股にかけためくるめく玉座奪還の大活劇、それを混血の漁師がやってのけることの爽快感。序盤の花いくさも華麗でいいし、九仙山の場面は下界とのコントラストがピリリと小気味良く、緊張感にうっとりする。これは形を変えても大傑作とわかる!
2018/02/25
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