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(001)憧 (百年文庫)

(001)憧 (百年文庫)

(001)憧 (百年文庫)

作家
太宰治
ラディゲ
久坂葉子
出版社
ポプラ社
発売日
2010-10-12
ISBN
9784591118832
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(001)憧 (百年文庫) / 感想・レビュー

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ちなぽむ and ぽむの助 @ 休止中

ああ、女といふものは厭だなぁ。剥げたマニキュア、こびりついたファウンデーション。ああ、ああ、でもそんなものより無垢な顔して顔色にあわせて、微笑みをつくる私はもっと醜いのです!もう何も知らないでいれないというのに。こんなにも醜い私に媚びて、あれこれ崇めるおにいさまたち、馬鹿みたい。馬鹿みたい。あら、ちょうど赤い靴が欲しいと思っていたの。私にぴったり。どうもありがとう。「あたし、鼾をかく人は嫌いです。」小母さま、私は三人の男性を愛してしまった罪によって、死にます。どうかどうか、探さないでくださいね。

2019/10/28

風眠

読者女性が送ってきた日記をもとに書き上げられた『女生徒』(太宰治)思春期の女の子の潔癖さと、女性特有のしたたかさ。ひとりの女生徒の中でせめぎ合う心象描写の素晴らしさに、感嘆のため息がもれた。『ドニィズ』(ラディゲ)は、主人公がチャラ男で、私にはその思考が理解できなかった。そして『幾度目かの最期』(久坂葉子)これは遺作ではなく、伯母さんへ宛てた遺書。これから死ぬと決めた人の精神状態は、こんなにも混乱して支離滅裂なのかと、その迫力に戦慄した。手にする事ができないから憧れるもの。光放つ才能の裏にある、闇の深さ。

2018/07/02

藤月はな(灯れ松明の火)

「女生徒」のみ、既読。「ドニイズ」は主人公が勘違いで馬鹿なチャラ男でイラっとする。なのでドニイズのあの振り方は痛快でした。一番、気になっていた久坂葉子さんの遺作「幾度目かの最期」ですが、完全にヤられました・・・。自分の性を熟知しているからこそ、自分を痛めつけるように男と付き合い、心中がしっちゃかめっちゃかになりながらも生きる事の苦痛さと千切れるかと思える程、捩れる思考回路を思うと胸がシクシクと痛む。しかし、鉄路のほとりも緑の島も今の視点から見ると優柔不断でプライドだけは高く、女を下に見るクソ男にしか思えん

2018/07/15

かりさ

太宰治「女生徒」ラディゲ「ドニイズ」久坂葉子「幾度目かの最期」。「女生徒」は太宰の女性的部分を繊細に現した作品。言葉ひとつひとつが実に美しく心地よく時にユーモアで堪能しました。憧れで言うと「ドニイズ」が分かりやすい。可愛らしい恋。久坂葉子さんの「幾度目かの最期」は小母へと宛てた手紙による告白、罪と愛のさざ波に揺れる気持ちが情熱さを帯びるほどに痛々しく苦しい。これが遺作ということですが、遺書でもあるのだ、と若い死の事実にも衝撃。敬愛したという太宰治とこうして作品を共に一冊になったことは感慨深い。

2015/08/29

mii22.

「女は自分の運命を決めるのに、微笑み一つで沢山なのだ。ポオズをつくりすぎて、ポオズに引きずられている嘘つきの化けものにはなりたくない。自然になりたい、素直になりたい、美しく生きたい。大人になるまでの長い厭な期間をどうして暮らせばいいのか誰も教えてくれない。この苦しさや侘しさが可笑しなものだったといつか追憶できるのかしら」なんて、遠い昔思ったものだ。自死に憧れを抱くなんてバカバカしい。だってちっとも美しくないもの。人生をまっとうしたものだけに美しい死は与えられると思うの。だから私の憧れは美しく生きぬくこと。

2019/11/25

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