([あ]6-1)学校のセンセイ (ポプラ文庫 あ 6-1)
([あ]6-1)学校のセンセイ (ポプラ文庫 あ 6-1) / 感想・レビュー
優愛
特別やりたいこともないまま何となく高校の教師になった桐原。生徒への接し方でさえ面倒だと言い切って過ぎていく毎日にはまるで熱意がない。だからこそ後半の変化故の先生らしさはとても素敵です。こうでありたいという像を思い描く人よりも、気取らない生き方をする先生の方が好き。形に捉われずに生徒一人一人の表情が見えていると思うから。きっとこうして前よりも自分が好きだと思えるくらいには変われるはずだから。かつての印象深い先生に再会したくなりました。桐原先生の素敵な面まだまだたくさん知りたいけどこれは生徒の特権ですね(笑)
2015/01/22
5 よういち
全てのことが"面倒くさい"桐原は、なんとなく"就職"してしまった高校の社会科教師。適当に""センセイ"をやろうとする桐原だったが、生徒や同僚教師、女友達が問題を持ち込む。さらに超ミニスカートのイエロー女が現れて...◆面倒くさいと言ってる割には、完全放置はできない桐原。周囲の人間に巻き込まれながらも、最後のポイントで自分の本音をさらけ出していこうとする。◆主人公の心の声はいたって素直で、とても好感が持てる。ほろ苦もあるけど、読後感は爽やか。"桐原も少しずつ変わってきたみたいだし、よかったね"で読了♪
2019/05/06
優希
面白かったです。教師らしからぬ青年のセンセイな日常が青春だなと思いました。面倒くさがり屋の桐原先生。適当にセンセイをこなそうとしても面倒事に巻き込まれていくのが何とも言えず絶妙です。少しやる気がなくて飄々とした先生がいてもいいような気がしました。肩の力を抜いた方が意外と先生としてうまくやっていけるのかもしれませんね。文章も読みやすく、新たな教育青春小説という感じでした。
2016/03/16
のいじぃ
読了。全てにおいて適当な距離で教師をやっている桐原センセイが少しずつ変わっていく物語。9年前の作品。気怠げな雰囲気やテンポの良いツッコミと自虐を交えた彼視点の文章、何だかんだと巻き込まれていく様はどこかのよろず屋が重なったり重ならなかったり。それはさて置き時代の流れと温度差、特に溝口先生のやりとりの中で、きちんと「何かが足りない」世代を表現しているのが印象的でした。彼は面倒の割によく「思考」していますね。あと最後の方で「事件」が唐突に語られるのですが、それが諦め癖の原因なのか元からの性格なのか悩みました。
2016/09/09
☆ゆう☆
面倒くさがりの高校教師である桐原センセイ。面倒なことに巻き込まれたくない、穏やかに過ごしたいという気持ちは多くの人が心の内に秘めていることだと思う。しかし一方で、こういう考え方は甘えだと受け取る人もいるだろう。だから少々読み手を選ぶ作品という印象を受ける。熱い気持ちを持つことは大切。でも彼のように嫌味なく適当に業務をこなせるのも一種の能力だと思う。要領が良くて周りの状況を冷静に判断できる能力。また自分を客観的に分析し理解できているからこそ、いま自分がすべき行動は何かということがきちんと分かるのだろう。
2014/06/15
感想・レビューをもっと見る