絆 いま、生きるあなたへ
絆 いま、生きるあなたへ / 感想・レビュー
yuka_tetsuya
「絆」は今年の漢字に選ばれるのは確実なくらい、日本人の絆に世界中から注目が集まった年はないであろう。絆についての哲学的・宗教学的論点を期待して購入したが、内容は著者がこれまで発表してきた論考を寄せ集めただけのものであり、落胆した。一千年前の地震の記述である「方丈記」を天災からの観点で、「立正安国論」を人災の観点から論じているというのはおもしろい視点だと思う。また宗教的哲人の人生を、学生期、家長期、林住期、遊行期にたてわけ、俗から離れ、聖へ向かう悩み多き時代こそが人生を豊かにするというところは賛同できる。
2011/07/02
sakase
宗教人の人生を人生を、学生期、家長期、林住期、遊行期に分け 聖にむかう道を説く。神谷美恵子が晩年に30でなくなったキリストが60超えて死に向かう自分の苦しみを理解し救いうるかと疑問に感じ80で生涯を終えた仏陀の存在を思ったということに深く感じ入りました。
2011/09/26
隠居
第3章のインド人の死生観、第5章の神谷美枝子の日記から始まる林住期の話、この2点で読むだけの価値あり。
2013/02/01
いわっこ
無常観には暗い無常観、明るい無常観がある。たえまなく甦り、循環していく自然から、逆境であったとしてもかならず「春」はくると希望を見出す無常観。キリストが人生の生老病死の苦しみを理解し救えるのかと疑問に感じ、仏陀の存在に思いをはせるクリスチャンの思いに、深く考えさせられました。
2012/12/20
そら
いろいろと示唆に富んだ内容。特に、1)生涯をかけて敬虔なクリスチャンだった方が65歳で亡くなられる際に、30歳で亡くなったキリストに、今の自分の65歳の肉体的精神的苦しみが分かるのか─と不安になり、80歳で亡くなった仏陀が自分の心を平安にさせてくれた、という話、2)仏教も宗派が諸々があるけど、最期は自然との一体感に包まれる世界に入って消えていくことを目指しているのではないか、という話が印象に残った。
2024/06/18
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