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クマのあたりまえ (teens’ best selections)

クマのあたりまえ (teens’ best selections)

クマのあたりまえ (teens’ best selections)

作家
魚住直子
植田真
出版社
ポプラ社
発売日
2011-08-02
ISBN
9784591125397
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クマのあたりまえ (teens’ best selections) / 感想・レビュー

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やすらぎ

動植物がヒトに話しかけてきたら、どんなに世界観が広がるのだろう。…動物は死を恐れるのか。太陽や満月の美しさに空を見上げるのか。植物は雨に何を思うのか。心地よい風に花は癒されるのか。色々聞いてみたくなる。…過去や未来に振り回されず、なぜいつも、今を生きられるのか。当たり前のことを繰り返し、生命の尊さを我々に教えてくれる。…花に誘われて、ベランダに舞い降りた蝶や雀は何を思っているのだろう。どうぞお好きになさってください。わたしはあなたたちを見つめているだけで幸せですから。…そんな、やさしい気持ちになれるお話。

2021/05/24

nico🐬波待ち中

寓話のような短編集。動物達の姿を通して「生きること」のしんどさを思うと同時に「生きること」について深く考えさせられる。どのお話も文体はとても優しいのに内容は生と死に関するもので切ない。けれどラストは気持ちを軽やかにさせてくれるものが多い。特に『アメンボリース』『朝の花火』が好き。「ころしや」のアオダイショウが温かな気持ちを知る瞬間がとても切ない。「死んでるみたいに生きるんだったら、意味がない」表題作の怖がりの子グマが一生懸命考えて出した答えも心に残る。「生きること」の意味を穏やかに問われた作品集だった。

2018/06/15

はる

とても好み。最初の「べっぴんさん」からもう引き込まれた。優しくて、深い。一見、動物たちが主人公の童話のよう。それなのに、どの物語も強く胸に響く。生きることの素晴らしさ、生きることの意義。そんな深遠なテーマをふんわりと、優しい言葉で紡ぎ出す。特に「クマのあたりまえ」なんて、ちょっと凄いと思う。

2020/12/23

とよぽん

ティーンエイジャー向けの短編集で、中学校の国語教科書に掲載されていた「光る地平線」も入っていた。どの物語も、生きることの切なさや心の機微が描かれて、柔らかいものの中に確かな重みを感じるような読後感だった。ちょっぴりユーモアのある植田真さんの絵が良い味。「ショートカット」「朝の花火」がともに印象に残るラストだった。

2021/10/17

tokotoko

チドリ、サル、アメンボ、アオダイショウ、鯉、ライオン、クマが出てくる現代版の童話です。彼らはみんな、きちんと性格も意志も持って登場してきます。1話ごとに、1ぴき(頭)ずつ、旅立っていくような感じなので、私、みんなの背中を見送った気持ちになりました。その後、ふと心に浮かんだのは、自分は偶然人間に生まれてきたけど、最後まで人間、がんばろーってことです。大好きな植田真さんの絵は、とても透明感があり、お話に溶け込んでいました。文体は静かでシンプルです。ちょっとしんどい時にも、オススメです。

2014/09/20

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