([お]4-2)やがて目覚めない朝が来る (ポプラ文庫 お 4-2)
([お]4-2)やがて目覚めない朝が来る (ポプラ文庫 お 4-2) / 感想・レビュー
新地学@児童書病発動中
人と人のつながりの大切さを繊細に描いた長編小説。「やがて目覚めない朝が来る」からこそ、どんな人とのつながりもかけがえのないものなのだろう。血のつながらない者同士が心通わせて、深い絆を作り上げていく描写が非常に魅力的。リズミカルで詩情を感じる文章も大島さんらしく良かった。ここに書かれているように私も実生活で出会う人たちの縁を大切にしたいと思った。
2013/11/24
なゆ
誰もがいつかは、やがて目覚めない朝が来る。言葉どおりにとると、そういうことを意識した話なのだけど、読み終えた今は心がホワッと温かくなっている。話に大きな起伏があるわけではなく、はじめのうちは登場人物の関係性が混乱したりしながらも、どんどん惹き込まれていった。蕗さんは元舞台女優で、有加の父方の祖母。両親は離婚してるのに、なぜだか有加と母は蕗さんの家に同居するようになり、蕗さんを取り巻く個性的な人たちとの関わりの中で成長してゆく。血のつながりに関係なく支え合う、そういう関係の話がうまいんだよな、大島さん。
2016/07/20
はつばあば
血の繋がりを求めて人は子を作るけれど、それだけが親子でも兄弟姉妹でも無いと極楽トンボの私は思う。ただ死と云うものはいつ訪れてもおかしくない現代。郵便局に行けば癌で死ぬ人も交通事故で死ぬ人も二人に一人だとポスターに。自由に動けるアリガタさを普段忘れている私達。入院してしまえばトイレ一つままならぬ( ;∀;)(入院ボケ)
2017/08/26
めろ
「輝きなさい。この世界には綺麗なものがいっぱいあるんだから。一緒になって輝きなさい。みんな同じように輝けるんだから」。誰にでもやがて来る目覚めない朝。それは絶望ではなかった。いつか目覚めない朝が来るからこそ世界は輝く。淡々とすぎていく日々の中で生きていくってことを感じられた。
2014/03/07
ぶんこ
感想が書きづらい。両親の離婚後、父の母である元舞台女優の蕗さん宅に身を寄せた母と娘。蕗さんの家には蕗さんを慕う人々が訪れ、有加を可愛がってくれた。最初に自分を捨てた父が亡くなり、そして少しずつ周りの大人たちにも「目覚めない朝が来る」。血の繋がらない人たちが、そして蕗さんも最期を迎える。作者が10歳!の頃から「やがて目覚めない朝が来る」と思っていたと(あとがき)に書かれていて驚きました。10歳の時から延々と考え続け、今も考えているとは。そんな朝が来るから、今を楽しく悔いなくなのでしょう。
2016/10/13
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