東京ホタル
東京ホタル / 感想・レビュー
hiro
東京ホタルを題材にした5人の作家のアンソロジー。今回もアンソロジーの楽しみである初めての作家さん(小松エメルさんと穂高明さん)に出会えた。大阪に住んでいるので、東京ホタルというイベント自体を知らなかったので、読了後にYou Tubeで観てみた。もちろん本物のホタルとは違うが、スカイツリーのライトアップとあわせて、隅田川のなかの青いホタルは本当に綺麗だった。日本人はホタルといえば儚さを思い浮かべるからか、それぞれの作品は東日本大震災、戦争、別れた母との再会、昔の恋人との再会等、心にやさしかかった。
2013/06/01
おしゃべりメガネ
そうそうたる面々の短編集ですが、ここでもやはりぶっちぎりな完成度は原田マハさんでした。1行1行に素晴らしいドラマが詰め込まれており、どんな展開になっても涙してしまう作風は他の追随を許さない域かなと。続きましてはこちらもやはり安定度抜群の小路さんです。「祖父」が幼いころに出会ったある人との交流を描いた作品にココロがジンワリきます。お目当てだった穂高さんは今作に限っては少し読後感は微妙だったかな。中村さんは普段通りの作風で爽やかにまとまてくれていました。初読みの小松さんは本作だけでは何とも言えない感じです。
2015/06/05
きりこ
「東京ホタル」はこのアンソロジーのための架空のイベント、ではなかったのですね。隅田川に放流された10万個のLED電球が水面を青々と照らす様はさぞかし美しいだろうなと思いますが、本当の蛍が飛び交うような綺麗な水辺がなくなったということは淋しいことです。私も硝子ケースの中の蛍しか見たことがありません。小路幸也さんの「蛍の光り」は児童文学のような優しい語り口の心温まる話。おじいさんの言葉だけホタルではなく蛍という漢字という所は拘っているなあと思いました。続く→
2014/03/29
とし
ちょっと季節外れに読みましたが、ほろ苦く、切なくも暖かく、ちょぴりさわやかな気分させてもらえる、川と川面の蛍と光でした。
2015/11/17
紫 綺
『東京を世界に誇れる美しい都市へ』のスローガンの『東京ホタル』がお題のアンソロジー。ホタルというと戦争のイメージが強いのだろうか?関連する話が多かったイメージ。やはり、小路さん・原田さんが温かい。小学生の頃、親父に連れられて行った田んぼの中で見た、満天の星空のようなホタルの乱舞は未だに忘れられない。
2013/06/27
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