([お]4-3)ピエタ (ポプラ文庫 日本文学)
([お]4-3)ピエタ (ポプラ文庫 日本文学) / 感想・レビュー
しんごろ
作曲家ヴィヴァルディの伝記物かなと思って読んだら、ヴィヴァルディに関わる女性達の話でしたね。最初、読んでるうちは、なかなか入りこめなかったんですが、読み進めるうちに18世紀のヴェネツィアの風景、情景が浮かびあがり、優しい文章で温かく優しく包みこんでくれ、ラストシーンは、ウルッとしちゃうくらい美しいですね。ヴェネツィアの歴史も覗くこともできて、イタリアに行きたくなりました。ヴィヴァルディの曲を聴きながら読むと、さらに良い作品になるかもね(^^)
2017/05/04
ちなぽむ and ぽむの助 @ 休止中
ピエタ慈善院で育ったエミーリアが、ある楽譜を契機に亡き恩師ヴィヴァルディの軌跡を追う、静かであたたかく美しい物語。幼き頃の、音楽と共にある日々。カーニバルの非日常、ひとときの恋。描かれる18世紀のヴェネツィアが鮮やかで、関わる人たちの密やかな優しさがひっそりと寄り添ってくる。「むすめたち、よりよく生きよ」歌の通り生きた美しさが、こちらの背筋もそっと正す。まるで児童書のような柔らかな語り口、少しずつ謎が明らかになっていくミステリのような趣き。とても好みな作品でした。この方の他の作品も読んでみたい。
2019/03/23
takaC
3年前に買った後にどこに片付けたかわからなくなってしまい結局図書館から借りてきて読んだ。物語に入り込むのに割と苦労したけど一旦乗れた後は快調で完読後は満足感に浸れた。
2017/04/04
ALATA
水の都ヴェネチアを舞台にピエタ(女子の孤児院)で暮らす人々の出会いと別れの物語。バロック音楽の最高峰、ヴィヴァルディが活動した時代背景、石畳の街の佇まいが紡がれる。消えた楽譜、コルティジャーナ(高級娼婦)の死などちょっぴりミステリー要素もありました。欲を言えば春樹さんやマハさんのような音楽の蘊蓄があれば良かったかな★3※「娘たちのまなざしが遠い昔のわたしたちのまなざしに重なる。キラキラと、強く、輝くように。よろこびはここにある」・・・このフレーズが大好きです
2024/07/27
エドワード
ヴィヴァルディは合奏曲「四季」が有名な作曲家だが、西洋音楽界では一時忘れられた存在だった。この作品の舞台は彼が活躍した18世紀のヴェネツィアで、捨て子を養い音楽会を開いていたピエタ慈善院である。エミーリアも捨て子。ピエタでヴィヴァルディから合奏・合唱を教授され、音楽一筋に生きてきた。彼の死の知らせから、彼の生前の知人の間をめぐり歩く。華やかなカーニヴァルがこの共和国の最後の輝きの暗喩であり、高級娼婦クラウディアの老いた姿が共和国そのものの暗喩である。登場人物はみな老女だが少女のような清純さを湛えて美しい。
2014/02/22
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