それは甘くないかなあ、森くん。
それは甘くないかなあ、森くん。 / 感想・レビュー
ちょろんこ*勉強のため休止中
職と住居を失った森くんが知人宅を7日間泊まり歩くうちに、自己を受け入れらるようになる物語。この”自我に目覚める”って夏目漱石の頃から、日本文学とは切り離せないテーマなんだなあ。対世界じゃなくて、あくまでも対自分に終始している 。森くんは後先考えず「何とかなるだろう」的な発想で生きてきた。それを受け入れられるかどうかでこの本の評価も大きく変わると思う。読み手の世代・境遇・価値観に委ねられる部分がかなり大きい感じ。大きな出来事はないのだが、無理のない展開でリーダビリティはあった。森くん、頑張れ!
2014/10/01
みかん🍊
3年務めたデパートを顧客とモメて突然辞めた森くんは寮を出て宿無しになる、海外旅行から帰る姉を待つ一週間、知人友人の家を渡歩き泊めてもらう事にする、突然の今日泊めてくれないに応える優しい人々と東京の風景、森くんの関わりがいい、ツネくんのこども騒動にお互い知らなかった森くんの知人達が協力したりアクシデントもありながら1週間で少し成長した森くんの今後が楽しみです、樹里ちゃんもかわいかった。その後がみてみたくなる読後感のいい作品でした。
2018/09/21
yanae
お気に入りさんのレビューを見て。小野寺さんは初作家さん。百貨店の外商に勤務していた森。顧客にきれて勢いで会社をやめ、寮を追い出され、宿無しに。1週間の宿を探すことに。その濃密な1週間のお話。タイトルや始まりから、暗い話になるのかなと思いきや、読後感がすごくいいことに驚き。たった1週間だけど、甘かった森くんはとても成長をしました。皆の影響だね。関係ない友人同士が協力する場面は気持ちがよかった。森、やるじゃん!森とかかわった人たちも少し変化があって。今後の生活が明るくなることを祈ります。
2018/02/25
aoringo
衝動的に会社を辞めてしまい、寮を追われ住むところさえ失った主人公。一週間の放浪の話。かつての知り合いの所を転々とする森くんに甘いな~と確かに思った。でもどん底まで落ちないところは彼の持つ人徳のおかげなんだろうな。「まだ笑える。だいじょうぶ。」彼を見てるとすごく説得力を持って聞こえる。
2020/08/22
あも
それはあもくん!…はい気を取り直して。とある事情でデパートの外商を辞め社寮も追い出され友人の家を泊まり歩く森くん26歳の1週間。初日の友達は銀行マンで頑張ってて森くんに言うわけですよ。『お前、甘くね?』でもそこから流されるまま伝手を頼って泊まり歩くうちに色んな人の色んな事情に触れる。都合の良い展開も大逆転も著しい成長も特にないけど、これはこれでいい。しゃーねーなー、とか、今ヒマだから。その程度の善意がいい。世の中そんなに甘くないかもしれないけど、そんなに捨てたもんでもない。じんわりと優しい気持ちになれた。
2019/07/25
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