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([な]9-1)きみはいい子 (ポプラ文庫 な 9-1)

([な]9-1)きみはいい子 (ポプラ文庫 な 9-1)

([な]9-1)きみはいい子 (ポプラ文庫 な 9-1)

作家
中脇初枝
出版社
ポプラ社
発売日
2014-04-04
ISBN
9784591139752
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([な]9-1)きみはいい子 (ポプラ文庫 な 9-1) / 感想・レビュー

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さてさて

人は子供であれ、大人であれ色んな側面を持つ生き物です。失敗もすれば過ちもする、でもその一方で良い面もたくさん持ち合わせているはずです。しかし、人はそんな良い側面を軽視しがちでどうしても悪い側面にばかり光を当てがちです。『わるい子じゃないよ』、『いい子だよ』、そんな風に前向きに、人とまっすぐ向き合うその先に幸せな未来がきっと待っている、良いことも悪いことも含めた『仕合わせ』ではなく、幸福へと向かう『幸せ』へと続く未来がきっと待っている。”人は決して一人ではない”、そんな中脇さんの強い想いを感じた作品でした。

2022/01/29

mmts(マミタス)

虐待された当事者だと中々、読んだりすることは辛いように思いました。実際、私自身が当事者だったために、ちょっと悲しくなりました。こんな風に気にかけくれる誰かが居れば本当に救われるんですよね。短編だけど、それぞれに重みがあるように思いました。何気なくそれぞれの登場人物がリンクするのは小説としては面白いように思いました。テーマ自体は重苦しいですが、何故か文体は優しいと言いますか、繊細だと思いました。問題提起として個人的には大満足しました。映画化も楽しみにしてます。虐待の連鎖は非常に考えさせられました。

2015/04/04

エドワード

先生も昔は生徒だった。昔の先生はみんなコワくて、頭をたたかれ、廊下に立たされた。生徒たちは先生が恐ろしく、ひたすら静かに勉強した。母親も昔は子供だった。昔の親はコワくて、泣くと手の甲に煙草を押し付け、作文や習字や工作や絵が、他の子より出来が悪いと、親が仕上げた。父親も昔は子供だった。いじめられっ子と仲良くすると、筆箱や靴を隠された。大人は昔みんな子供だった。ふだんは忘れていても、子供の心を覚えている。子供の心を忘れない限り、背伸びしなくても、よい先生に、よい母親に、よい父親になれる。そんな希望を描く物語。

2014/07/24

yu

それぞれの家族が抱える闇。闇が深いからこそ、その先には必ず光射す場所がある。そんな風に思わせてくれる作品が集まった一冊。 虐待を繰り返してしまう母親が主人公の「べっぴんさん」、新米教師が主人公の「サンタさんの来ない家」、息子の友達の様子がおかしいことに気づいた男性のお話の「うそつき」、おばあさんと障害をもった子供のお話の「こんにちは、さようなら」、子供の頃に母親から愛されなかった女性が主人公の「うばすて山」。どれもこれも、甲乙つけがたいぐらいよかった。久々に、人に薦めたくなる一冊『きみはいい子』。

2015/08/30

ユザキ部長

やさしい言葉の向こうにある残酷さが恐ろしい。なぜ虐待は起こりうるのか。抱きしめて、抱きしめられるって大事なのに。何時の間にか忘れてしまっている。きみはいい子。忘れない様に記憶にとどめて。

2018/08/21

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