([お]13-1)クローバー・レイン (ポプラ文庫 お 13-1)
([お]13-1)クローバー・レイン (ポプラ文庫 お 13-1) / 感想・レビュー
ハッシー
【やさしい雨が降る】本はめんどくさいものだ。開いて文字を追わなければ何の意味も成さず、重くて場所を取り、腹を満たすことも喉を潤すこともできず、枕にするには硬すぎる。それでも、物語の力を信じてしまう。どこの誰が書いたかもわからない架空の話に、生きる希望や勇気を求めてしまう。読者はどうしようもなく弱い人間なのだ。▶出版社に勤める若手編集者の苦労と葛藤を描いた作品。
2017/03/22
hiro
大崎さん作品で、書店員、出版社の営業マン、中学生向けのファッション誌の編集者を読んだが、今度は一番期待の文芸編集者の話。綿密に取材されているだろう。大崎さんの本に関連する作品は面白い。単行本よりは良くなったが、残念なのはこの文庫本が平積みされても表紙をみただけでは、本の内容はわからない。作中作の表紙のように、手にとってページをめくるような表紙にしてほしい。偶然並行して読んでいた『ハケンアニメ!』には‘王子’、こちらは‘若王子’というイケメンが登場するが、イケメンには王子という苗字が似合うのだろうか。
2014/09/27
mocha
良かった。大崎梢さんの本への愛が溢れてる。どんなに優れた作品も、1冊の本になるには紆余曲折あるんだなあ。弱小出版社の苦労は言うまでもなく、大手には大きいからこその取り回しの難しさがある。若手編集者・工藤くんが、これからも蛮勇を奮いたくなるような作品に出会って伝説を残し、やがて名編集長になる姿を想像した。2014年刊、状態も良好なこの本を108円のさらに20%OFFで購入。なんだかとてもとても申し訳ない気がしている。
2017/01/25
Kazuko Ohta
若手編集者が自分の惚れ込んだ本を出版するまで。出版社は売れる本を出したいから、落ち目作家の作品にGOを出させるなんて至難の業。大崎梢の作品の中でこれがNo.1。主人公とどの人との関わりにも魅せられました。解説で宮下奈都が書いているように、泣ける小説が良いわけじゃない。でもこれはまちがいなく良い小説。今は売れなくても、一冊がいつかきっと百冊に、千冊になる。数年後の誰かを感動させるために、彼らは本をつくる。人気作家とはいえない人の作品の中に、自分にピタリとくるものを見つけたときの幸せ。だから私たちは本を読む。
2018/06/19
たるき( ´ ▽ ` )ノ
とても美しい作品だった(*´ω`*)表現が繊細で、情景を思い浮かべるのが楽しかった♪何気なく手に取る本全て、たくさんの想いが込められていることを改めて実感した!読んで良かった(*´∇`*)
2014/09/06
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