([い]4-3)なでし子物語 (ポプラ文庫)
([い]4-3)なでし子物語 (ポプラ文庫) / 感想・レビュー
🅼🆈½ ユニス™
暖かい大人に囲まれて自我に目覚めて行くヒューマンドラマ。昭和五十年代、静岡県は天竜川の源にある常夏荘と呼ばれる邸宅を背景に🌲 代々林業で栄えて来た遠藤家のお坊ちゃんである立海と遠藤家の山の管理人の孫娘である耀子と言う二人の子供たち、遠藤家の後継ぎだった夫を若くして亡くし遠藤家の敷地を管理することになった’お庵さん‘こと照子の三人が、溶け合うようにして進む心に沁みる傑作。美しい本は美しい世界へ人を運ぶ❗️★5❗️ps:シリーズ追いかけるべし
2018/11/05
mariya926
静岡県にある常夏莊に住む人たちの物語。伊吹さんの本はこのシリーズで全読なので楽しみにしていましたが、今までに比べるとちょっと出来すぎている?感があります。学校に行けなくなった耀子と立海が、家庭教師である青井の元で勉強を教わりながら成長していく物語ですが、素敵な言葉も心を素通りしてしまい、そんな自分に悲しくなりした。たった4か月しか一緒に過ごせなかったって寂しすぎる…。照子も思い出に浸っているばかりで…。亡くなった夫が素敵すぎて…。そんな人この世の中にいるの?と疑いたくなります(笑)地の星を読みます。
2020/05/29
mocha
ネグレクトやいじめが社会問題として声高に言われるようになる前、昭和50年代のお話。大人の都合で理不尽な目に合う耀子と立海が、お互いの中に安らぎを見出し、徐々に子どもらしさを取り戻していく。幼いふたりが自分を責める姿が辛くて、毅然とした先生の言葉に読んでるこちらも救われた。見守る“おあんさん”照子の心が少しずつほどけていく様子もいい。不器用な祖父の優しさも染みる。長い物語のまだ入口らしい。続きも読まなくては。
2018/04/26
ゆみねこ
静岡県の山深い峰尾の地、いじめに遭っている耀子と大金持ちの庶子として産まれた立海、過去の思い出の中で生きている未亡人の照子。3人の出会いはそれぞれの人生を動かして行く。大好きな物語、図書館で単行本をお借りして読了し、文庫本は購入して積んで置いたのですが、この時期に読めて良かったです。みなさんにお薦めの1冊。
2020/05/04
chiru
透明人間になりたいと願う輝子は、父親を知らず、母親からも愛情をかけられず育った少女。辛い現実の中でも、まっすぐな心を持ち続ける輝子に、心を揺り動かされる物語。立海と輝子の境遇は正反対。二人の間に芽生えた絆は、周囲の人々にもあたたかな影響を与えていく。二人の関係は「ハイジとクララ」に似てると思いました。幼い二人の寄り添う姿がほほえましく、試練に屈せず、新しい自分になろうとする輝子がいじらしい。お互いに必要としあう、大切な存在の輝子と立海に、いつまでも友達でいてほしいな。 ★5
2019/02/14
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