([く]5-1)麻雀放蕩記 (ポプラ文庫 く 5-1)
([く]5-1)麻雀放蕩記 (ポプラ文庫 く 5-1) / 感想・レビュー
KAZOO
黒川さんの賭け事に関する短編が7つ収められています。ご自分の経験がかなり入っていると感じられました。私はマージャンは高校時代からサラリ-マン生活までかなりやっていましたが最近はご無沙汰です。この中では知らなかった「ほんびき落とし」が結構簡単な割には奥深い感じがしました。麻雀の話が多いのですが、賭け事にかかるお金の調達の方法(奥さんに借りるケースが多い)がやはり小説らしい感じがしました。
2022/07/16
ホークス
著者らしき作家が主人公のギャンブル物連作集。人対人の博打模様が大阪弁で展開され、どうしようもない人間の業をあぶり出す。殺伐とした風景からちょっとした機微をすくい取る手腕は著者ならではで、雰囲気は疫病神シリーズに近い。ブラックジャックや手ホンビキの修羅場に流れる、投げやりで切実で狂気を含んだ空気が見事。メインの麻雀では、仲間同士の「通し」の仕組みがよく分かる。誰も信用できない騙し合いと駆け引きの世界だ。そんな中、奥さんとの辛辣で親密なやり取りは救いである。しかし「利根川散歩賞」には笑った。
2019/02/03
10$の恋
ん?黒川さんの体験記?小説?ま、どっちでもええ、オモロいから♪これはね、ひと通り博打を経験した諸氏なら射倖心がうずくよ。麻雀・ブラックジャック・手ホンビキetc…「黒川ヒロユキ」氏が小説の取材と称して博打の現場にいそしむ。私も大学時代の4年間、雀荘でバイトしてたから「いそしんだ」笑。勘と流れ、勝利の女神と貧乏神の入れ替わり。ちなみに私、今は一切ギャンブルしてません。お馬さんに人参一本もプレゼントしてませんし。しいて“賭け”て言うなら、選んだ本を読む時に「当たりかな?ハズレかな?」て思うぐらいですわ笑🀄️
2022/02/14
Walhalla
『たかが博打や。金ですむこっちゃ』。賭け事の強い人にも弱い人にも当てはまりそうな言葉で面白いですね。作品を読む限り、著者の黒川博行さんは後者のようにもみえますが、 軍資金の工面を巡って奥様の雅子さんとバトルする様子も面白いです。ちなみに、著者の作品の装画の多くは奥様が描いておられるそうです。素敵なご夫婦ですね。
2020/08/26
ヨーコ・オクダ
登場するのは、日本画家の雅子さんという奥さんを持つ、ミステリー作家の黒田ヒロユキ。…って、黒川センセがモデルってことやんね!?どこまでがホンマのエピソード?なんて考えながら読むとまた別の楽しみ方もできたり。短編7本で、全部が麻雀の話というわけではなく、ルーレット、ブラックジャック、バカラ、手ホンビキ、パチンコ等々いろんなギャンブルがネタとなったエンタメ小説。巻末の「懲りないやつの記」によると、センセは阿佐田センセ好きやそうで。積読本がなくなったら「麻雀放浪記」を仕入れに行こかなー。
2017/08/13
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