([は]9-1)翔ぶ少女 (ポプラ文庫 は 9-1)
([は]9-1)翔ぶ少女 (ポプラ文庫 は 9-1) / 感想・レビュー
三代目 びあだいまおう
冒頭から何度も涙が滲む。読み終えるまで何度も何度も!尊い物語。突然襲った大地震、阪神淡路大震災で両親を喪った丹華(ニケ)と2人の兄妹。地獄に救いの手を差し伸べ育ての親となったゼロ先生。血の繋がりを越えた家族愛、困難を共に乗り越えた隣人愛。学校での孤独、支えてくれる存在。やがて見つける恋。勝利の女神の名を冠したニケは様々な愛に支えられ成長してゆく。知らなかったゼロ先生の病、このままでは···!想い人の為に、愛する人の為に翔ぶ少女ニケ!その想いは届くのか、奇跡は起こるのか❗涙が抑えられない大好きな作品‼️🙇
2020/12/31
さてさて
阪神・淡路大震災によって、それまで幸せに暮らしていた家族の生活が大きく引き裂かれたあの日。でも、前に、それでも前にと進んでいく人々の力強い生き様が描かれるこの作品。あの日から25年が経ち、その間にも東日本大震災をはじめ、多くの震災が人々の暮らしを襲ってきました。地震のある日常を生きていくしかない私たちのある意味での日常。そんな中にあっても、どんな時でも、どういう形であっても、この国に生きていく限りは決して忘れてはいけないことがある、そんな原田マハさんのメッセージを強く感じ、強く心を打たれた作品でした。
2021/04/11
yoshida
1995年1月17日午前5時46分52秒、最大震度7、マグニチュード7.3の巨大地震、阪神・淡路大震災が人々を襲った。建物の倒壊、発生した火災により沢山の方々が被災し亡くなり、また、家族を喪った。家族を喪い生き残れた方々の、真の心の痛みと苦しみは想像もつかない事と思う。本作は震災で両親を喪った3人のきょうだいが、震災で妻を喪い、子に去られた男性医師に引き取られ、絶望から希望へ歩み、1つの家族となる姿を描く。少女の翼は真に大切な人を想う気持ちの発露だと思う。絶望から希望へ立ち上がる姿に私は涙した。感動作。
2016/11/23
SJW
阪神淡路大震災が起き、神戸市長田地区で目の前で両親を失った丹華(ニケ)は、兄妹と共に心療内科医のゼロ先生に助けられる。町は復興が進むが心に大きな傷を負ったニケは、家族や本当に親しい人にしか心を開けず、近親者を失う恐怖に耐えながら生きていく。震災の恐ろしさを体験している人は辛いかもしれないが、必死に生きていこうとするニケにはつい涙腺が緩んでしまう。震災の2年後に長田地区に出張したときに復興途中の街並みと辺りにたくさんの花束を目にして愕然として、そこで亡くなられた方々の安らかな眠りを祈ったことを思い出した。
2019/05/14
どんぐり
ポプラ社「あるかしら文庫フェア」3冊目。「地に足をつける」「足元を見る」ということわざがある。足は、辛いときにそこから立ち上がる為に、前を向いて歩く為に必要だ。「足元を見る」はネガティブな意味で使われるが、それだけ足は人の内面を写す大事な部分だと思う。本書の主人公ニケは地震で足にけがをし、ちゃんと歩けなくなった。その地震で両親を亡くした。そんな少女が自分の足で立ち、一歩ずつゆっくりであるが前を向いて歩いている。すごく力をもらえた。私も、足元を大切に、力強く生きていきたい。
2020/06/07
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