お化けの愛し方: なぜ人は怪談が好きなのか (ポプラ新書 あ 4-1)
お化けの愛し方: なぜ人は怪談が好きなのか (ポプラ新書 あ 4-1) / 感想・レビュー
HANA
主に中国と日本の怪談の変遷を論じた一冊であるが、裏のテーマは冥界と人間界の交歓。中国の知られざる志怪小説から仏教説話を経て、『剪灯新話』中の「牡丹燈記」がどのようにして日本に受容されていったかを記している。兎に角著者の怪談と幽冥界への愛が溢れていて、どこを読んでも魅了されんばかり。牡丹燈記から牡丹灯篭への受容と変遷は割と有名で今まで何度も読んで知ってはいたが、これと志怪小説、『雨月物語』中の「浅茅が宿」と立て続けに紹介されると、怪談には幽明を隔ててなお尽きない愛を描いたものが多数あるなと感じられた。
2017/10/31
スノーマン
『お化け』があらゆる角度から論じられてる貴重な本。女十悪説とか酷いな〜と思いつつ、いや案外女の本質ってこんなんかも?と思わせる‥(笑)濃厚な原液みたいなこの一冊、私には難しくて興味のあるところだけ拾い読みとなりました。そういえば私の小学生の頃には学校に一人は怪談話の上手い教師がいて、キャンプの肝試し前には本領発揮とばかりに皆をビビらせたものだった(笑)耳を塞ぎながらもやっぱり聞いてみたくなってしまうんだもんね〜。お化け話は魅力的。
2017/10/07
ばんだねいっぺい
怪異と純愛。折りがあれば、千葉県市川市の手児奈霊堂へもぜひ、足を運びたい。
2017/08/04
いぼいのしし
お化けと荒俣さんが好きなので読んだ。『牡丹燈籠』をメインに怪談話がその国の文化に合わせて進化していった歴史を紐解く。お化けだけではなく当時の思想もわかっておもしろかった。
2019/10/15
あーびん
日本の怪談のルーツは中国にあるとし、西洋との違いをまじえながらお化けとの付き合い方を学ぶ。あいかわらずの荒俣氏の博識ぶりに脱帽。日本の怪談では下駄の音などのオノマトペが特徴的であり、小泉八雲も目が悪かった為それに気づき日本語の「カラ~ンコロ~ン」をアルファベット表記にしたというのが興味深かった。英語では虫の声もノイズというらしいけれど、たしかに耳で聞く怪談は効果音が重要。
2017/08/16
感想・レビューをもっと見る