三月 (ポプラ文庫 お 4-5)
三月 (ポプラ文庫 お 4-5) / 感想・レビュー
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三月は別れの季節である。いくつもの別れがあって、その別離は新たな出会いと繋がりをつくる。高校の同窓会の案内を契機に、途絶えていた女の友情が縁を結んでいく。それは、則江の不可解な電話から始まる。亡くなった友人が夢に出てくるという話だったのに…。いつの間にか則江の住む青森で同窓会をする話に変わっていく。高校生である10代というのは、暴力的で衝動的で開放的である。だからこそ、喧嘩をしたり、瞬間で仲良くなったりもする。大人になると、それらのことが眩しく見えて仕方がない。20年ぶりに会う彼女たちはどうなんだろうか。
2017/03/26
ピロ麻呂
アラフォー世代は人生の折り返し地点。ゆえに将来のことを色々考えてしまうんやよな(^_^;)この連作短編も40代女性の苦悩を描く。結婚できなかったり、子供を授からなかったり、夫の浮気だったり、親の介護だったり、姑との不仲だったり… 隣の芝生はあおいと言うけれど上を見ればきりが無い。平凡な人生こそが幸せなんだと思いました。
2017/02/10
鴨ミール
これを読むと、平成って色々あったなと思い出す。同じ日本に住んでいても、それぞれの地で大きな災害もあった。青春時代を共に過ごしたからこそ、その先のそれぞれの人生を比べてしまうのだろうか。何が幸せなのか。幸せと言っても確かなものはあるのだろうか?それから、話の中に出てくる震災の場面は辛い人もいるだろう。阪神と東日本とどちらかだけでもよかったのではないか。などと、考えてしまう。私は友だちを必要としないので、何人も仲良しがいるのは面倒だなと思ってしまう(笑)
2019/04/30
エドワード
四十、五十代は同窓会の誘いが頻繁になるが、私も含めて、同窓会が面倒あるいは憂鬱な人は多いだろう。それより、気の合う数人で会う方がずっと楽しい。短大の同級生、則江と領子の電話から始まる物語。東北の港町に嫁いだ則江の家へ、独身で失業中の領子、義理の娘との関係に悩む明子、神戸で震災にあった花、元恋人の謎の死に夫が関わった疑惑を抱く穂乃香が集う。あの頃、私たちは何を夢見ていたのか、旅が時を巻き戻す。春、三月。五人が揃い、楽しい日になるはずだった。地震さえ無ければ…。驚愕の終章だ。それでも人は、未来へ生きていく。
2019/10/31
小夜風
【所蔵】タイトルから今月中に読もうと決めた本。3月は別れの季節…私は今も昔も3月が苦手です。大人になったらそんなことはなくなるのかなと思っていたけれど、大人になっても変わりませんでした。でもこの本を3月の暖かさ、寒さを感じながら読めて良かったです。20歳になるまでの20年と40歳になるまでの20年の、なんと違うことか。結婚していても独身でも、子どもがいてもいなくても、離婚したりしていても…みんなどれ程のドラマチックな人生を歩んできたのか。懐かしい顔を思い浮かべながら、いつか聞けたら良いなぁって思いました。
2018/03/21
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