天の花 なでし子物語
天の花 なでし子物語 / 感想・レビュー
さてさて
『「どうして」ではなく「どうしたら」と考える』。この言葉が、前に進むことを躊躇していた燿子の人生を少しずつ変え、今の燿子を支える大切な言葉となっていることが示される作品冒頭。そんな言葉を糧に『どんなことでも筋道を立てて考えれば答えは見つかる。そう信じてこれまでやってきた』とあれからを生きてきた燿子。ゆったりと描かれていた作品世界が大きく動き出す作品後半。そしてこれこそが続編「地の星」へと繋がっていく、次の物語の舞台となっていく物語。独特の作品世界の素晴らしさにすっかり魅了された、そんな作品でした。
2021/07/12
いつでも母さん
なでし子物語はかなり前に読んだのだが(汗)で、『地の星』よりも先にこちらを読んだ。説明がし難いが私は龍治派だ(笑)家は代々受け継がれていくもの・・だったのだなぁ。自分の意思に関わらず、生まれた時から、護る側とそうではない側の立場がはっきりしている分、どうしても耀子に思いを寄せてしまう。だが女も子を護る為なら強くもなる。(なのに耀子の母は・・)瀬里を産み母となった耀子。立海だけが哀しいほどの純粋な幼心のまま成長するのだろうか?ああ、もやもやする。
2018/02/27
fwhd8325
この作品で、パズルのピースが埋まりました。「地の星」での妙な違和感が、しっかり描かれています。埋まったことはそれでいいのですが、心の置き場所に困っている自分自身もいます。このシリーズは、完結したときに、もう一度時系列に沿って読み直した方がいいかもしれません。
2018/07/15
みっちゃん
第1作を読了後、2作目は図書館で貸出中、読友さんに「3番目の方が時系列は先だよ」と教えて頂き読む。スムーズに続編を読んでいる感覚、読友さん達に感謝。でもこの結末には胸中複雑なものが。確かに耀子を窮地から救うには立海はあまりにも幼く、天真爛漫、世間知らずだった。そして龍治のその弱さも強引さも含めて人を惹き付ける魅力、私も魅せられるものを感じてはいたけど。「何もかも承知で好きなんだ」将来に禍根を残す事はないのか。ラストの「こわくないよ」もう2度と彼女に辛い思いはさせたくない。祈るような気持ちで第2作に戻る。
2021/03/14
taiko
なんて切ない。 時系列では、こちらが先との事でしたが、敢えて出版された順に読みました。 確かに、なぜ龍治だったのかと思っていましたが、天の花の龍治なら、耀子を任せられると思ってしまう。 リュウカくんはまだ子供過ぎる… 耀子と立海と龍治の3人で過ごした時間がかけがえのないものに思え、先が分かっているだけに胸が苦しくなるほどの切なさに身悶えました。 耀子はこの先強く逞しいおあんさんになります。 それがわかっていなければ読めなかったかも。 もう一度地の星を読み直したいと思います。
2018/07/18
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