お探し物は図書室まで
お探し物は図書室まで / 感想・レビュー
starbro
本屋大賞にノミネートされたので読みました。ノミネート作品既読9/10、青山 美智子、初読です。本書は、本屋大賞ノミネート作品らしい図書室司書ハートウォーミング連作短編集の佳作でした。但し、大賞受賞程のインパクトはないような気がするので、最終順位は4~7位ではないでしょうか? 私は図書館に年間100日ほど行っていると思いますが、一度もレファレンスをお願いしたことがありません(笑)
2021/03/08
しんごろ
無愛想で体の大きな司書さん。人目見れば印象も十人十色。そんな司書さんが選ぶ選書は、心の隙間を埋める隠し玉の本を用意してくれる。それが、見事に新たな気づきを与えてくれる。何かに躓き、悩み、壁にぶち当たれば、あなたのいる図書室に行くよ。もちろん付録も楽しみ。あなたの好みのお菓子ではないけれど、六花亭のお菓子でも差し入れしたい。そして「何をお探し?」と聞かれれば、迷わず僕はこう答える。「青山美智子の新作を」と。またもや青山美智子作品で心がぽかぽかになりました。青山美智子作品は僕にとって最高の精神安定剤です。
2020/11/30
さてさて
長い人生の色んな場面を象徴する五人の主人公それぞれが、今の自身の立ち位置に悩み、出口を求めて苦闘する姿が描かれるこの作品。短編と短編の間に張り巡らされた伏線の数々が五つの短編を一つに編み上げていく絶妙な構成が光るこの作品。誰だって気づきを得ることができる。誰だってやり直すことができる。そして、誰だって無限の可能性に向かって進んでいくことができると気づかせてくれたこの作品。前を向いていく主人公たちの姿に、熱いものが何度もこみあげてくる絶品でした。青山さん、力いっぱいの勇気と希望をありがとうございました!
2020/12/12
青乃108号
人生に行き詰まった者が何かの縁で某図書室を訪ね、司書から啓示を受け活路を見いだすという話。1話だけならまだしも、同じパターンで5話も続けられると読む方はきつい。俺は図書館通いが好きなので本書のタイトルには惹かれるものがあったのだが、この話なら啓示を与えるのは別に図書室の司書でなくても街角の占い師でも良いしかえってその方がしっくり来るというか、図書室の司書であるばっかりに何かしら説教くさいものを感じてしまい俺は3話目くらいで興ざめしてしまっていた。主役の人物が別な話にも登場するというのもありがちで。
2023/01/30
bunmei
温かくて、疲れた心を癒してくれる、ハートフルな世界観が広がる一冊。仕事や人生に行き詰まりを感じていた人達が、小さな図書室を訪れることで、新たな一歩を踏み出していく。そしてそこの司書がちょっと不愛想だけど、その人にピッタリの本をリファレンスしてくれる。その本によって、今の自分を見つめ直し、新しい扉を開く決意をする主人公達。それは、決して本に人生を動かす力があるわけでなく、読む人がそういう読み方をし、そう考え、行動に移した結果である。そして、その人の内なる衝動こそが、人を高みへと導く原動力なのだろう。
2021/01/26
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