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片をつける

片をつける

片をつける

作家
越智月子
出版社
ポプラ社
発売日
2021-03-17
ISBN
9784591169001
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片をつける / 感想・レビュー

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sayuri

良かった。主人公は間もなく40歳になる阿紗。部屋の鍵を無くし困っていた隣の部屋に住む老婆・八重を助けた事がきっかけで、彼女の部屋の片づけを手伝うことになる。袖すり合うも多生の縁とは言え、全く付き合いのなかった他人、それもゴミ屋敷の様な部屋、自己中な物言いをする老婆に不快感さえ感じていたが、読み進むに連れこの二人が好きになる。自分の趣味が整理整頓という事もあり、物語の中で部屋がどんどん綺麗になって行く様子は爽快。部屋の片づけと共に、二人が抱えていた過去の重荷にも片がつき、ラストでは阿紗と八重の友情に涙する。

2021/04/19

Ikutan

もうすぐ40歳になる阿紗は、親からの愛情を受けずに育ったため、他人に心を開くことができない。ある日、鍵を無くしたという隣に住む老婆を部屋に上げてしまう。そしてなぜか、この厚かましくて口が悪い老婆の汚部屋の片付けをすることになってしまう。先輩に伝授された片付け方法を実践していく阿紗だったが..確かに片付けって心も整理されるよね。この老婆のキャラが魅力的。ずけずけ言うけど詮索はしない。彼女の言葉は何れも心に響く。少しずつ変わっていく阿紗の姿に温かな気持ちで読み終えた。片付けや掃除のノウハウは参考になりそう。

2021/05/14

ゆみねこ

天涯孤独のアラフォー女性・阿沙は隣に住む老婆・八重の部屋の片付けと終活を手伝うことに。しだいに明らかになる八重の過去と、阿沙自身の幼少期の記憶。片付や掃除は心をきれいにする作業だと聞いたことがあるが私も溜まった不要物を捨てたくなった。越智月子さん、初読み。

2021/08/27

ネギっ子gen

【片づけには順番がある。溢れる物をそのまま収納スペースに詰め込むのではダメ。まず仕分け。取捨選択をして自分の生活に何が必要かを見極める】 独身の阿紗は、マンション8階隣に住む272歳(自称)の偏屈な元シスター見習い・八重の部屋の片づけを手伝うことになった。八重登場時の描写は、<肩まで伸びた灰色の髪を無造作にひとつにまとめ、ネズミ色のワンピースをでれっと着ている。これまでの人生の不満を凝縮したかのように眉間には深いシワ>と。阿紗は、過去の経験から得た掃除テクニックを八重に教えながら、片づけを進めるが……。⇒

2023/05/20

いたろう

アラフォー独身の阿紗(あさ)は、大物政治家の愛人だった母親から、マンション3室を相続して、その1室に住み始めた。マンションの隣人は、不動産会社の担当者から、相当な変わり者だと教えられていた老女、八重。初めは、口の悪い八重と、かかわりたくないと思っていた阿紗だったが、ひょんなことから、八重の汚部屋の掃除を一緒にするうちに、八重との交流を深めていく。それぞれ秘めた過去を持つ二人の関係が、実にいい。魔女とフクロウ? 八重の飼っているフクロウ(コノハズク)のヨハネが、愛想がないようでいて、なかなかいい味出してる。

2021/09/21

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