愛を知らない (ポプラ文庫 い 7-1)
愛を知らない (ポプラ文庫 い 7-1) / 感想・レビュー
りゅう☆
合唱コンクールでヤマオがアルトソロに橙子を推薦した。ピアノ担当涼、指揮者青木さんの4人がメイン。橙子の我が儘、ヤル気なさにイライラ。橙子と関わりを持ちたくない涼だが父親が亡くなった時、助けてくれたのが橙子の母芳子さん。なぜこんないい母親がいて橙子ったら…。青木さんもヤマオも橙子をあきらめない。だんだん心開く橙子だが、親に内緒にしてほしいと言う。出生の秘密、橙子が抱える心の闇に直面した時、戦慄が走った。子育ての大変さに共感するも、愛を知らない子供の心もとなさが切ない。願わくば4人がずっと友達でいますように。
2022/06/21
アッシュ姉
またもや一木さんの小説に打ちのめされた(褒め言葉)。私はなにも分かっていなかった、なにも見えていなかった。読み終わるともう一度読み返したくなる。愛を知らない子供と母親。愛し愛されたかっただけなのに、捻れてしまった思いはなかなかほどけない。悲しみと切なさのなかにわずかな光が感じられてよかった。語り尽くされていない余白が余韻にもなっているが、もう少し知りたいと思った。
2022/11/16
ナミのママ
多くの読友さんが感想をあげていた本作が文庫化された。タイトルは意味深、問題児の高校生が主人公なら、また虐待の話か?と思いつつ、ポプラ社から出ているのも気になる。さらっと数時間で読めてしまうがなかなか考えさせられるストーリーだった。清々しい青春小説のようでありながら、不可思議なところがある。何かがある、それはなんだろう?…これから先、どうなっていくのかは考えない方が良いんだろうな、この主人公。
2021/09/19
よっち
ヤマオの推薦で合唱コンクールのソロパートを任された高校二年生の橙子。親戚でクラスメイトの涼の視点から彼女の苦悩と決意が描かれる青春小説。気難しくて周囲から浮いていた橙子に期待するヤマオ、一緒に練習することになった伴奏役の涼と委員長で指揮者の青木、共に過ごす中で意外な一面を見せてゆく橙子が抱える苦悩。これまで見えていたものがガラリと反転した世界で、どうにもならないところまで拗れてしまった関係があって、やりきって勝ち取った結果にはぐっと来ましたが、だからこそその先にあったこの物語の結末が胸に突き刺さりました。
2021/09/07
禅
子育てに自信を無くした母親の気持ちを考えると苦しくなる。愛を知らずに育った子供はスーパー異端児に。しかしビックリ!衝撃の転調!4人組には友情を育んで貰いたいと願う。
2021/12/29
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