僕たちの幕が上がる (ポプラ文庫ピュアフル つ 2-1)
僕たちの幕が上がる (ポプラ文庫ピュアフル つ 2-1) / 感想・レビュー
カナン
何故幕が上がる瞬間は、何時もあんなに心拍数が上がるのだろう。息を止めてその瞬間を待つ私達の見えない処で、普くきらきらとした舞台装置の裏で、役者達は我武者羅に戦っている。仲間の未来を奪った罪。決して消せない壮絶な過去の暴力。いじめ、過失、貧困、裏切り、睨みつけた眼差しと心に滲む血。恐れながら探る己の「出来ること」。溢れた涙のように滴り落ちる拍手の嵐の中、その魂の色が見えたらいい。舞台という長方形の枠から、幕が下りた後まで、彼らが演じきった命の炎がこの瞼に指に燃え移り、胸を視野を明るく美しく焦がしますように。
2021/11/07
よっち
ある事件をきっかけに芝居ができなくなってしまったアクション俳優の二藤勝。今をときめく天才演出家・鏡谷カイトから新たな劇の主役に抜擢された勝は、俳優生命をかけて初めての舞台に挑む青春演劇小説。個性的な脇役たちと一緒に臨む初舞台、クールで合理的な天才演出家・鏡谷カイトが勝を選んだ理由、そして勝が抱える苦い過去。男たちしか登場しない物語ですが、登場人物たちそれぞれに舞台に賭ける熱い想いや生き様があって、数々のトラブルに直面しながらも真っ向からぶつかりあい、乗り越えてみせた結末にはぐっと来るものがありました。
2021/11/06
ひぬ
【電子】作者買い。ある事件によりアクションができなくなってしまったアクション俳優・二藤勝。天才演出家・鏡谷カイトからのオファーにより劇の主役に抜擢されますが、彼は勝の高校のかつての同級生で…思った以上にヘビーな内容ではありましたが、楽しめました。周囲の登場人物達も華があり、良かったです。作者の表現の仕方がとても好きでした。
2023/11/24
だてこ
青春!爽やか!面白かった!若手アクション俳優の二藤が初めての舞台に挑む物語。周りがみんないい人!途中ハプニングがあっても暗くならず明るく解決。こんなに読んでて清々しい小説久しぶりかも。個人的にファンの子の会話が大好きです(笑)私も推しがいるからめっちゃ気持ちがわかる。主人公と演出家・鏡谷や昔の俳優仲間篠目とのエピソードもよかった。
2023/12/23
まぁ
とてもおもしろかったです。とある事情で崖っぶちなアクション俳優が新進気鋭な舞台脚本家の劇で主役に抜擢される話。自分自身が見る舞台の裏側で必死で演じている人の話なわけですが、たた演じるわけではなくて新しい命を創る行為なのかなぁと思いました。何より勝さんとカイトさんのやりとりが個人的にとてもツボでした。
2021/12/15
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