模型の町 (楽園コミックス)
模型の町 (楽園コミックス) / 感想・レビュー
ホークス
2022年刊。panpanya氏の漫画は楽しい。道や家はリアルで人物はフワッとしたところは水木しげる風。白日夢みたいな雰囲気はつげ義春的。でも妙に理屈っぽく、ゴム動力で歩くベッドはゴムを逆に巻くと来た道をちゃんと戻る。背景には宇宙人か妖怪らしき者、ゾッとする陰影の建物が混じる。ストーリーは説明できない。この世界観に浸るのが正しい味わい方だろう。ショートエッセイも面白い。「おどかす(脅かす)」と「おどろかす(驚かす)」は、私も同類視してた。なんだか人物の輪郭が、さらに薄くなった気がする。これも著者の謎かけか
2023/04/27
あたびー
流れ着いたところがどこかを推理する「ここはどこでしょうの旅」シリーズ、学校でクラスメートが作った自分たちの住む町のミニチュアを巡る物語「模型の町」シリーズなど、おかっぱ頭の小学生らしき子を主人公にした連作集。主人公は小学生らしいのだが(ランドセルで学校に通う)、働いていたりもする。メガネの友達とすごい道を通って登校する「登校の達人」、失われたブロック塀を復刻する「ブロック塀の境地」も凄かった。ものすごく楽しんだ。
2022/11/18
kei-zu
いずことも知れぬ場所での主人公としゃべる犬の小さな冒険「ここはどこでしょう」、教室で町の模型を先生と生徒たちが囲む場面から始まる「模型の町で」の両シリーズが本書では多くを占める。 明け方の夢のような不思議な展開の物語は、この著者ならでは。足の生えたベッドで夜中の街を廻る話しが特に楽しかったです。
2022/10/03
阿部義彦
顔写真、性別、年齢非公開の謎の漫画家panpanyaさんの単行本6冊目、既刊10冊なので残り4冊です。この巻の私的肝は『登校の達人』『ブロック塀の境地』の二篇に有ると思う。前者は日常再発見もの、登校する時間帯をずらす事で可能になった異世界への探検を描き出す事に成功してます、まさしく時間はお金に変え難いと言う科白に納得です。後者は壊れた今は製造中止のブロックを探すという、まさしく赤瀬川原平さんの路上観察、考現学を地でいってます。ブロックの製造印、歴史、工程までを巡り、再生するまでを漫画にしちゃう!?
2024/01/06
bluemint
怖いわけではないが、少し胸がザワつく。初めての作者だが好み。自分が住んでいる町なのに、時間を間違えて早く登校したら新しい発見があったり、停電の夜中にゴム動力のベッド(!)で街をうろついたら違うものが見えてきたり、町の見え方に対する新しい発見がいっぱい。中でも「ブロック塀の境地」が好み。
2023/03/25
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