ミ・ト・ン (MOE BOOKS)
ミ・ト・ン (MOE BOOKS) / 感想・レビュー
starbro
小川糸は、新作中心に読んでいる作家です。著者がラトビア共和国に魅せられて描いた恋愛ファンタジー、ミトンの国の物語。表紙を捲って見返しの次の型抜きしたミトンのイラストから小川糸ワールドが始まります。優しく暖かく、幸せとは何かを考えさせられる佳作でした。平澤まりこの挿画も素敵で、小川糸の文章と相乗効果を醸し出しています。ラトビアに行ってみたくなりました。
2017/11/12
さてさて
『ルップマイゼ共和国』という異国を舞台にした、まさに異国情緒たっぷりに、それでいてどこか童話のような、もしくはファンタジーのようにも感じられるこの作品。直接手をつながなくても、編むことでつながっていく人のぬくもりを時代を超えて伝えていく『ミトン』に光を当てるこの作品。丁寧な人の暮らしの描写を通じて、その独特な世界観の中に人のぬくもり、あたたかさをとても感じさせてくれるこの作品。不思議と心穏やかな気持ちになれる結末に、なんて素敵な物語なんだろう、と幸せな気持ちいっぱいに包まれた、そんな素晴らしい作品でした。
2021/10/08
❁かな❁
ラトビアがモデルになったルップマイぜ共和国に生まれたマリカの物語*平澤まりこさんの版画と小川糸さんの小説のコラボ。糸さんの作品を読むのは7作目。児童書のような感じで慎ましやかで穏やかな暮らしが紡がれる。ミトンを編むことを親から子へ受け継がれるのはラトビアではお馴染みとのこと。プロポーズの返事に手編みのミトンを贈るそうです。ヤーニスと出逢い恋をする「初恋の花のお茶」以降がお気に入り♡想い合う2人が素敵♪第6章で涙。ラトビアはヘタリアで知りました(笑)最後にエッセイ&イラストも可愛い♡切ないけど温かい物語*
2018/04/05
hiro
小川糸さんの小説と平澤さんの版画で、北の国ルップマイゼ共和国(バルト三国のラトビアがモデル)に建国の年、生まれた女性マルカの一生を描いた作品。マルカが成長しヤーニスと出会い、二人が結婚して暮らした幸せな日々も、氷の帝国(ソ連)に支配された辛い時代も、ルップマイゼ共和国のミトンは色あでやかで寒い冬を過ごすために欠かせないものだ。そして、黒パンや白樺ジュースなど登場する食べ物、飲み物はすべて一度試してみたくなったので、小川さんが取材のために訪れたラトビアでの日記エッセイ『卵を買いに』も読んでみることにする。
2018/02/02
nico🐬波待ち中
装丁がお洒落で飾っておきたい本。美しいミトン(手袋)をはめる文化のある国ルップマイゼ。その国の人々は誰もが神様が宿る美しいミトンを持っている、という。そして歌と踊りをこよなく愛し、例え辛いことが起こっても楽しそうに笑う。泣いていても何も生まれない。けれど、笑っていれば自分よりもっと辛い思いをした人達を勇気づけることができる…。ルップマイゼの人々の明るい笑顔は読み手をも励ましてくれる。来る者を決して拒まず広い心で受け入れてくれるルップマイゼの森や風、光、生き物、そして人々の温かさがとても心地好い物語だった。
2018/03/23
感想・レビューをもっと見る