皆川博子作品精華 迷宮ミステリー編
皆川博子作品精華 迷宮ミステリー編 / 感想・レビュー
優希
ミステリーというより耽美小説という感じでした。美しい世界に惹き込まれます。愛憎や狂気のイメージが漂い、幻想小説と言ってもいいかもしれません。重みがあり、沼の底に引きずり込まれそうですがそれがまた魅力ですね。禁忌を破る愛、異形への愛が美しいです。まさに芸術です。
2015/01/21
雪紫
書き下ろし1篇を加えた皆川さんのミステリ短編18。見覚えのある作品も結構あります。狂気と時代が産む闇を見事な文章で短編に落とし込む手際にくらくら。注。皆川さんの短編摂取は小刻みに容量を守るように。オーバードーズは禁物です。くらくらするだけじゃ、すみません。
2021/11/04
藤月はな(灯れ松明の火)
嫉妬に打算、あるいは説明もつかないふとした瞬間に現れる感情が引き起こす事件を背徳的かつ耽美に描いた今まで出会ったことのない作風に瞑目しました。「虚無への供物」のように関係者でない部外者が勝手に事件や関係性を勝手に解釈したり、介入する不愉快さも見事に描写されていて舌を巻いていしまいました。個人的なお気に入りは「漕げよ、マイケル」、「紅い弔旗」、「水底の祭り」、「火焔樹の下で」、「私のいとしい鷹」、「孤独より生まれ」、「黒塚」、そして後の「薔薇密室」を彷彿させる特別書下ろしの「廃兵院の青い薔薇」でした。
2011/05/31
芍薬
探偵?トリック?そんなもの必要としていません。ミステリーというよりも芸術作品のようでした。「黒塚」「水の館」が絶品です。
2013/01/03
ようすけたろう
図・「『凡庸な者に読ませてなるものか、これについてはベストセラーなどになってはならない。理解できるのは我々だけでいい』という、極め手前勝手なファン心理をかき立てる一連の作品」篠田節子の解説。あとがきより。
2010/11/05
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