アルファベット荘事件 (白泉社My文庫 き 2-1)
アルファベット荘事件 (白泉社My文庫 き 2-1) / 感想・レビュー
セウテス
北山猛邦氏の実質的デビュー作品、絶版本。本作が絶版とは、たいへん残念な事です。アルファベットのオブジェが散らばる山荘を舞台に、不可能犯罪を描いたクローズドサークル。空の状態から何かを生み出すと言われる、「創生の箱」から突然現れる死体、アルファベットのオブジェに隠された謎など、推理すべきトリックは既に物理の北山を感じさせる。それ以上に北山作品には珍しく、事件の背景に在る少年と少女の出会いと別離の物語が、もの悲しい雰囲気の良い幻想感を出している。登場人物がたいへん魅力的で、是非ともシリーズ作品で読みたい位だ。
2017/06/28
へくとぱすかる
数年間、積読でしたが、復刊記念に旧版を(実はあせりながら)。でも初読です。さすが初期作品でも北山作品らしい趣向があって、大満足です。幻の作品のままにしておくのは、確かにもったいない。アルファベットがどんなふうに事件にかかわるのか、本当に関係あるのか心配でしたが、読み終わってなるほど! あのトンデモない行動も、きちんと伏線回収。気になるのはやっぱり登場人物たちのその後です。個人的に愛着もあり、他の作品にも登場するとおもしろいのですが、最近のミステリは、それだけでネタバレするおそれがあるので困りますね。
2021/10/13
ダイ@2019.11.2~一時休止
北山さんの本当の意味でのデビュー作?。トリックがイマイチな気もするが北山さんらしさは発揮している。
2014/02/26
coco夏ko10角
北山猛邦さんある意味本当のデビュー作、ということでずっと読みたかった作品。絶版本なので時間がかかってしまったけど、運よく定価以下で入手しやっとこさ。トリックは北山さんらしい。探偵観で猫柳シリーズがよぎる。220Pでの頭部に関する会話で著者他作品を思い出してニヤリ。ディのことが気になるし、本書復刻→続編が読みたい。
2015/08/14
coco夏ko10角
【再読】初読時の感想で「本書復刻→続編が読みたい。」と書いたけど、ついに今度創元推理文庫から出ることを知って懐かしくなり書庫から。アルファベットのオブジェがあちこちにある屋敷でのトリックよき。全体の雰囲気もいい。続編は出ないのかな?
2021/09/21
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