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愛はね、 (白泉社花丸文庫 ひ 5-2)

愛はね、 (白泉社花丸文庫 ひ 5-2)

愛はね、 (白泉社花丸文庫 ひ 5-2)

作家
樋口美沙緒
小椋ムク
出版社
白泉社
発売日
2010-12-17
ISBN
9784592876465
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愛はね、 (白泉社花丸文庫 ひ 5-2) / 感想・レビュー

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miyu

流れるような文章、濃密な心理描写に自分がBLを読んでいるのを一瞬忘れた。望に苛々するという感想が多いが私はむしろ読みながらずっと彼を応援する気持ちでいた。幼い頃から大好きな同性の俊一に対する気持ちは痛々しいが何の打算も駆け引きもない。次々と付き合う男がどれほど暴力的でも恨みもせず望の気持ちは一身に俊一に向いている。『おれが苦しかった時、みんなも苦しかった?』自身でそう気づいた瞬間彼の中で何かが変わった。弱々しく見えて本当は実に強い子だったんだろう。そうでなかったらこんなに一途になれるわけもない。次作へ。

2018/06/16

とらこ

樋口さんの虫シリーズは大好きなのにあらすじから好みではないからと避けていたこの作品。さっさと読まなかったバカな自分に後悔する。凄く切なくて、でもそれが胸を打つ。同性の幼なじみを好きな主人公の望。セクシャルマイノリティであることで自分を責め、家族から距離を置かれては傷ついて。近づいてくる男からは傷つけられ。満身創痍な望に泣くしかない。寂しさから色んな男にフラフラするところは頂けないけれど振り回される展開に読まされる。続編に期待大なラストにワクワクが止まらない。

2015/09/14

那義乱丸

望にも俊一にもイラつくお話ですが、俊一の方により強くそれを感じさせられました。望の恋愛における優柔不断さの根本的な原因は俊一の存在であり、さらにそれに拍車をかけてるのも、中途半端に手を差し伸べてる俊一だと思うから。そして、それが何度も繰り返されることにイラつき、唐突過ぎたり安易だったりというお話の展開にも何度もツッコミ入れたくなりました。とりあえず、望は自分自身を認め、見つめなおすことができたようなので次は俊一ですね。ぼんやりだけど素直で強さのある望に比べて、俊一の方が難しそうな気がします(笑)

2011/01/23

波多野

胸に迫るストレートな心理描写に最後まで引きずられるように読んだ。主役2人の好き嫌いは分かれると思う。幼くて弱くて欠けた部分が多い2人。前半は受の綿毛みたいなふわふわ流されやすい姿にジレジレさせられたが、後半、つらい経験を通して、自分は自分でしか救えない、孤独を乗り越えていくしかないのだと自分の足で立とうする姿にほんのり成長を感じられた。攻は受へと傾く自分の気持ちに気付きつつ、普通から逸脱する怖さを受への優しさで誤魔化しているのだと思う。続巻ではこの攻が自身や受とどのように向き合っていくのか楽しみ。

2015/09/19

そらねこ

再読・以前読んだ時はBLを読んでるという先入観や期待値があったような気がするが、今回は望の渇望が凄く分かって辛かった。親や兄弟から疎まれ、恋愛として好きな人からは決して望むような気持ちは受けられない。そして気持ちを埋めるために好きでもない人と望まれるままに付き合い、愛していないのかと暴力を振るわれる。若い頃に身につけるべきものは孤独を受け入れる強さ…ってのが今回再読して心に染みた。若い頃の自分に伝えたい。しかしまぁ、言われても中々難しいだろうな。これは恋愛で寂しさを埋める寂しがり屋さんに読んで欲しいな。

2018/07/01

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