綿の国星 (第1巻) (白泉社文庫)
綿の国星 (第1巻) (白泉社文庫) / 感想・レビュー
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ファンタジーなのに、夢のようにふわふわした物語ではない。主人公のチビは子猫である。飼い主に捨てられて死にかけたところに須和野家の人々に飼ってもらうことになる。再び飼い猫になってハッピーエンドとはならないんですよね。チビは人間になろうとしたり、ペルシャに行こうとしたり、プロポーズをされたり…。一つ行動することで何かを学び成長していく。そんな成長譚なのだろうか。単純に成長にフォーカスしているようには思えない。チビは何かになるのか。どこかに行くのか。気になる続きを追っていこうと思う。
2016/10/19
ばう
雨の降る町で弱っていた小さな捨て猫チビは時夫に拾われ、須和野家の飼い猫として暮らし始めます。いつかは人間になれると信じているチビがひたむきで可愛い。周りの人間や猫たちの話すこと、様子をよく見てどんどんこの世界のことを学んでいきます。子供の頃からタイトルは知っていたけれど手に取ろうとも思わなかったこの漫画、昔は理解出来なかったけれど絵も文章も繊細で夢のような、それでいて深い大島弓子さんの世界が今になってとても心に響きます。いえ、今だからこそ分かるのかな?
2021/01/08
かっぱ
自分が小学生の頃に女子が読んでいた漫画。おっさんになって初読み。子猫なんだけど小さな女の子でもあるチビ。ここだけにしかない世界がある。この世界は砂糖菓子で出来ていて、実際にそこにあるから食べられるのだけれど、食べてしまえば消えて無くなってしまう。そんな儚く危うい世界がこの漫画の中にある。作者の大島弓子さんが外に出歩くことが好きでない人だというのは分かる気がする。「チビ猫にはまだ古代ペルシャとイランの区別もなく 古代ペルシャ帝国が 昼荻・チキジョージ・夜鷹にならぶ沿線にあると かたくしんじていたのでした」。
2022/01/10
ともかず
美しい世界、優しい世界、子猫の世界。詩的な描写も好みです。漫画8絵本2くらいの一冊でした。拾われた子猫が主人公の両親とも仲良くなっていく過程が良い。チビ猫が出会っていくラファエル、発情期ネコ、去勢されたメス猫、ペルシャを共に目指したネコ、どれも印象的でした。ずっと飼い猫だったチビ猫が他の猫に教わっていく「猫のルール」も好きでした。特に「猫のルール、子供には優しく」には和ませられました。😊
2019/08/10
赤とんぼ
漫画祭り中(笑)小学生の頃に読んで以来です。本屋さんで見かけて、ひどく懐かしくなって購入してしまいました。あの頃確かに読んだはずなのに、感じることがとても違う。小学生当時は、ラフィエルが憧れと恐怖の対象で、ちび猫がお母さんに好かれたくてたまらなかったです。懐かしい自分に久しぶりに会うと同時に、今の自分の視点で、お母さんの愛情、葛藤、時夫さんの苦悩など、あの頃には感じることのできなかった感情に出会えました。擬人化されているけれど、やっぱり猫らしくって(*^_^*)大切に読んでゆきたい漫画です。
2013/12/15
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