風と木の詩 第1巻 (白泉社文庫)
風と木の詩 第1巻 (白泉社文庫) / 感想・レビュー
毒兎真暗ミサ【副長】
仏の男子校寄宿舎で起こる青春群像劇。真っ直ぐな愛情を受けて育ったセルジュと陰鬱な憎悪で育成された「娼夫」ジルベールの触れ合いを描く。ジルベールの過去、その闇から生まれた作為ない寄生精神が、関わる男全ての人生を蝕み狂わす異様な空間が広がる。しかしジルベール本人は至って純粋な蝶のように舞いその美しさゆえの洗脳からの馬車のシーンは「堕ちていく序章」の幕開けかつ切ない衝撃で胸を抉る。全てをこのシーンが掌握する、まさに「耽美」の代名詞かと見紛う作品。唯一の救いは思慮深い友たち。心理学面から見たとしても必読の全十巻。
2022/05/31
sasara
1976年(S51) 週刊少女コミック連載開始、仏寄宿舎学校14才ジルベールとセルジュの衝撃的な男の子同士の少年愛だけではなくブレないストーリーテラーの名作。少女マンガを変えただけではなくBL、腐女子はここからの記念すべき作品らしい。
2021/05/23
フキノトウ
これがジルベールか~(感動)。某漫画でちょくちょくジルベールという名前が出てくるので気になって。思っていたより、ジルベールがヒステリックかなと思ったり。
2019/05/14
セシル
懐かしい友人と再会した気分です。再読する機会に恵まれた出会いに感謝!BLという表現がない当時、未知な感情に明確な答えを教えてくれたのがこの漫画で、衝撃は今も忘れられない。同性愛だけでなく、人種差別や偏見を根底にしながらも純粋で健やかな心の輝きが眩しい。以前は気付かなかった「人間味」に惹かれる。小悪魔的な魅力のジルベールは人間不信からセルジュを試そうとし、真正面から受け止める覚悟のセルジュ。二人の過酷な運命の結末を知っているので辛いけど…。「BLを読む理由?」原点回帰しながら自分を見つめ直す深い旅に出よう。
2010/09/15
椿
あまりにも有名な漫画だけど、ちゃんと読んだことあったかな~と思って、手に取ってみたよ。スゴい尖ってるなぁ。
2016/11/23
感想・レビューをもっと見る