月の子 (第8巻) (白泉社文庫)
月の子 (第8巻) (白泉社文庫) / 感想・レビュー
いちろく
紹介していただいた本。人魚姫をモチーフにしつつ、80年代の国際問題も大きく関わる物語。ダンサーと人魚の恋を描いた恋愛SFと思いきや、世界を揺るがす展開へと発展していく点も含め、物語の広がりと収束が凄かった。80年代後半の段階で、後にセカイ系と言われるジャンルに近い内容を作品として描いている点も興味深かった。文庫版全8巻読了。
2019/09/21
ようすけたろう
夢か現かあのラスト。アート、ジミー、セツ、ティルトそれぞれの貫き通した想いが古い言い伝えを覆したのでしょうか。ジミーはアートの愛を得られ人間に生まれ変わり新たな人魚伝説を紡ぐ。まさに夢のように幸せなジミーの未来。なのにラストシーンでは今までとは異なる、上っ面をすべるような感触があるのです。チェルノブイリの事故は起こらず、クリーンなエネルギーが発見され、白血病で死ぬ子供はいない。夢のよう。まさに現実とは別の世界の出来事。それでも幸せなジミーがみてしまう悪夢の世界がここにはあり夢と現の境は誰も解らない。
2011/10/10
ものくろ
マンガpark読み。結局一気読みしてしまった…夜から朝への六時間よ…。そう終わるとは思わなかった、メインヒロイン死んじゃうの!?ってなったところからの展開がもう読めなくて驚いてばかりだった。セツはたまごを生むということでは最後報われたけど、愛した人には見てもらえない状態で終わってしまったし、何よりティルトが辛すぎた。女性的な要素がないから守る立場になるしかなかったって…。 メインヒロインのベンジャミンは中身が子供だったからか言動にイライラしてしまった。もっとしっかりしてたら話がまた変わるのかもだけど…。
2020/06/12
十六夜(いざよい)
地球滅亡を企てるギルが計画した原子力発電所の実験が始まる。ショナはセツの女性化を知らないまま、事故を阻止すべく発電所に。一方、アートはジミーとの愛を貫くため、衝撃的な行動に…!?人魚姫をモチーフにしたファンタジーな作品かと思っていたが、なかなかどうして。実在の事件や天災を取り込んだとてもシリアスな昨日だった。清水玲子さんのストーリーは毎回唯一無二の発想に驚かされる。
2015/08/16
こいけ
なんとなく駆け足で終わってしまい、すっきりしない読後感。やっとセツとショナが想いが通じ合ったと思ったら、最後まで勘違いしているし、女性化したセツを見ずに終わってしまったのは切なかった。セツが不憫というか、想いは伝わったとは思うけどやりきれない。セツの子どもがティルトっていう名前で少しティルトが報われた気が。人知れず動いて、死んでいったティルトの名を継承していく感じがなんとも。個人的にはもっと幸せになっているセツとショナを見たかった。女性化したセツと父親のショナに子のティルトが幸せになっている様子を。
2015/09/23
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