バナナブレッドのプディング (白泉社文庫)
バナナブレッドのプディング (白泉社文庫) / 感想・レビュー
コットン
「きょうはあしたの前日だから…」と言う言葉から始まる不安定な世界を描いていて、古さを感じさせない。さすが大島弓子は素晴らしい!
2016/09/07
KI
世界がぐるぐる回っているのに、私はまっすぐ歩くことしかできない。
2020/06/01
S.Mori
「バナナブレッドのプディング」のような作品を読むと「大島弓子万歳!」と叫びたくなります。それぐらい好きです。風変りな高校生三浦衣良が主人公。大好きな姉が結婚することになり、不安定な状態になってしまいます。見かねた友達のさえ子が、兄の峠と疑似結婚させるのですが……。思春期の少女の内面が繊細に美しく描かれています。エキセントリックな物語に見えますが、描かれていることは大人になることの難しさです。自分らしさを保ちながら、大人になるのは難しいです。作者は衣良を通して自分らしく生きる女性にエールを送っています。
2020/08/03
ちぇけら
「きょうはあしたの前日だから、だからこわくてしかたないんですわ」息がしろいのはわたしが少女だから。りんとした雪が降ってきて、あなたがマフラーを巻いてくれる。雪。ふれるととても冷たくて、ほろりととけて涙みたいにわたしを濡らす。さあミルクを飲んで。ことばがすっとしみてゆく、夜半の甘い匂いのするお布団で。わたしは少女、でもやがて、良心などまるでない鬼になって、たくさんのひとを失望させてしまうの。それなのに、あなただけよ。眼からキラキラと星がながれだす。「ほくはきみがだい好きだ 薔薇のしげみのところからずっとね」
2020/11/23
昭和っ子
夢で、生まれるのを不安がっている自分の赤ちゃんに、「まあ生まれて来てごらんなさい、最高に素晴らしい事が待ってるから」と答える衣良ちゃんのお姉さん。衣良ちゃんと違って、世の中に適応している美しいお姉さんですが、後で「最高の素晴らしさって何だろう、私自身もまだお目にかかってないのに」と考えます。姉妹がそろって穏やかで美しい花嫁になってくれたら、両親もラクなのでしょうが、衣良ちゃんはお姉さんの代わりに巨大な「?」を発してくれているのかも。その「?」がユーモアとかわいい花々で飾られて供されています。
2012/07/30
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