四月怪談 (白泉社文庫)
四月怪談 (白泉社文庫) / 感想・レビュー
1039kuri
初めて読んだのは10代の時だった。それから幾星霜。「生きていることの証」と書かずにいられなかった少年の想いとか、一つ一つのセリフの美しさ、切なさがひしひしと静かに伝わってきて、気づいたら号泣していた。サバのエッセイでも思っていたのだけれど、大島弓子先生のお話は木の芽どきのあやうさを孕む春先のお話が面白くて考えさせられる。
2017/03/06
R子
お気に入り様が読まれていたので。短篇7本を収録。どの作品にも死の気配があった。それでいて不思議と明るい。憧れの人の知らない一面に衝撃を受ける「ローズティーセレモニー」、少年のように振る舞う少女の胸の痛み「きゃべつちょうちょ」、奇妙な同居人との生活を描いた「ページワン」、死した魂が体を求め彷徨う「四月怪談」、無気力な少女が余命を言い渡される「雛菊物語」、母親が息子に流れる血を恐れる「桜時間」、夢の中を生きる男性の青春「金髪の草原」。どれも良かった!
2016/05/30
マツユキ
初めての大島弓子さん。昭和50年代に発表された7作品収録。どの作品も死が絡んでいて、主人公の行動など、突飛に感じられ、中には嫌いだなあと思う人物もいますが、感情が伝わってきて、引き込まれました。最後は納得。『金髪の草原』は昔映画を見たのですが、原作はそういうヴィジュアルだったのか。お洒落。
2023/04/10
ほうじ茶子
お久しぶりの大島弓子さん。サヴァシリーズが大好きでそちらは読んでましたが、それ以前の作品を読むのは初めて。映画化された表題作と『金髪の草原』を含む7篇の短編集。どの作品もほわわーんとメルヘンなタッチながらも"生と死"に向き合うお話です。イラストと文章の『ページワン』が強く心に残っている。『金髪の草原』もよかったなぁ。大島弓子さんいい!ちょっとずつ読んでいきたい。
2024/04/20
くろうさぎ
大島さんの漫画は随分昔に読んだ記憶があるのだけれど、読み友さんが読まれていて読みたくなり、やっと探して読めました。懐かしいのと同時に優しいタッチの絵に落ち着ける。死をモチーフにしている作品ばかりなのに、どこか救いがあっていいんですよね。表題作と「桜時間」が特に好きです。
2019/01/11
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