ユーカリの木の下で
ユーカリの木の下で / 感想・レビュー
さらば火野正平・寺
『はだしのゲン』の中沢啓治の作品集の一冊。長編の表題作に、戦争物ではない短編『チエと段平』が収録されている。表題作は昭和52年、息子を連れて母の葬儀の為に広島に里帰りした主人公の思い出。『ゲン』と同工異曲の面もあり、今では誤った部分もあるだろうが、繰り返し訴えていかなければならない事ばかりだ。この漫画が発表された頃の日本人はこんなに戦争に怒っていたのだ。短編はチンドン屋の話だが、驚きのクライマックス。悲劇を経たハッピーエンド。どちらも今の子が読むとトラウマになるかも知れないが、大切な内容だ。
2015/06/07
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