真夜中の電話 (扶桑社ミステリー コ 3-5)
真夜中の電話 (扶桑社ミステリー コ 3-5) / 感想・レビュー
でんすけ
先の展開が読めないタイプのミステリではないけど、デニー少年の淡い恋や社会との関わりなど、若さゆえに苦悩し揺れ動く感覚が好きだった。背後には児童22人が亡くなった劇場での事故があり、物語に影を落とす。これは事件の謎を解く物語と言うよりは、デニー少年の成長譚として読むほうが楽しい。電話に出る父の姿は、序盤と終盤でほとんど変わっていないはずなのだけれど、デニーの目を通して物語を追ってきた自分には、無言で電話を聞く姿も全く違って写る。
2023/12/13
澤水月
010629
2001/06/29
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