加田伶太郎全集 (扶桑社文庫 S 5-1)
加田伶太郎全集 (扶桑社文庫 S 5-1) / 感想・レビュー
有理数
探偵・伊丹英典が活躍する本格探偵小説。作者の本格推理への愛が爆発しているような短編集で、まさに"純"で王道な本格推理が楽しめる。密室物と多重推理が見所の第一話「完全犯罪」は気合が入っているパズラーで、実際非常に面白いが、これを含めて何編かトリックが想像し辛い印象。ただ中盤辺りから物理トリックは減り、心理的なミスリードや手記、魔術的な謎の提示など、趣向も手広くなってきて、なかなか楽しい短編集だった。ベストは「赤い靴」。
2017/03/19
KAZOO
福永武彦さんが当時覆面で書かれたと聞いています。加田伶太郎とこの中に出てくる探偵の伊丹英典は両方ともアナグラムとなっています。いかにも頭のいい福永さんが考え出した、という感じです。私は学生時代に読んで一挙に福永ファンになってしまいました。純文学の作家が書かれた割には、物語としても面白いと思います。
2014/04/07
造理
★★★★☆ 本格ミステリ好きにはたまらない探偵小説集。まず冒頭の「完全犯罪」は多重解決+密室ものでテンションアップ!。他にも催眠術を題材にオカルト要素とミステリが上手く融合した「眠りの誘惑」、探偵ごっこの小学生が憎らしくも可愛い「湖畔事件」など・・作者の本格愛に満ちた逸品。
2017/01/08
パフちゃん@かのん変更
1975.12.22アカンサス
ササジマシュンイチ
本格ミステリ。謎の提示と解決がちゃんと分けられてて、内容もフェア。いい意味でのパズルものだ。序文や後書きも面白い。ホントにミステリが好きなんだろうな~。あと、当たり前かもしれないけど、文章が上手くて読み易い。
2012/11/10
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