斜光 (扶桑社文庫 S 7-1 昭和ミステリ秘宝)
斜光 (扶桑社文庫 S 7-1 昭和ミステリ秘宝) / 感想・レビュー
coco夏ko10角
『斜光』それぞれの話がどう繋がるのかと、ミステリーとして面白かった。 『黒き舞楽』以前既読。 『かげろう飛車』将棋、暗号もの。
2017/07/01
Susumu Kobayashi
亜愛一郎シリーズなどの短編で専ら馴染んでいたので、この作家の意外な面を知って驚いた。長編『斜光』はリアリズム風の作品で、『黒き舞楽』は江戸時代の出来事と現代の事件の繋がりが描かれている。どちらも性が描かれているが、いやらしさは感じられない。短編「かげろう飛車」は暗号小説。
2023/05/16
Tetchy
表題作は既読だったので同時収録の「かげろう飛車」のみを読んだ。これは所謂暗号小説である。泡坂作品の特徴の1つに「言葉遊び」が挙げられる。ただそういった趣向を凝らした場合、その仕掛に膨大な労力を注ぎ過ぎて肝心のプロット、ストーリーがやや浅めであることは否めない。本作もその例に漏れず、ややパワー不足といった感は確かだ。ただ、暗号となる手紙の内容と全体のストーリーがマッチしているのは流石で、短編であるがゆえに冗漫にならなかったのが救いだ。
2009/05/23
松井和翠
表題作のみ再読。卓越した話術を堪能。あり得るとは到底思えない設定、過程、真相が納得させられてしまうのもエロエロなのにどこか純真なきらめきを感じさせるのも二つのストーリーが最後に絡み合う構成に作為を感じないのも、巧みな語り口の賜物。初期作のような派手さはないが“響き”という点では泡坂作品の中でも随一。やはり、職人芸はいい。
2011/08/26
キャロン
偶然なのか必然なのか、数奇で不幸な人生を背負ってしまった女性のお話でした。 静かにどろどろ進行してゆくこういう小説は好きです。
2008/04/18
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