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花の旅夜の旅 (扶桑社文庫 S 9-1 昭和ミステリ秘宝)

花の旅夜の旅 (扶桑社文庫 S 9-1 昭和ミステリ秘宝)

花の旅夜の旅 (扶桑社文庫 S 9-1 昭和ミステリ秘宝)

作家
皆川博子
出版社
扶桑社
発売日
2001-08-01
ISBN
9784594032272
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花の旅夜の旅 (扶桑社文庫 S 9-1 昭和ミステリ秘宝) / 感想・レビュー

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森オサム

「花の旅 夜の旅」と「聖女の島」の長編小説2作の合本。「聖女の島」はこれぞ皆川博子と言うべき幻想小説で、少女たちの妖しい存在感と、二人の語り手の余りにも怪しい描写に引きずりまわされて読了。狂気、狂気、狂気…で、ファンの高評価も納得。もう一遍の「花の旅 夜の旅」も当然?、幻想的で退廃的でエロティックなのですが、個人的好みでは今まで読んだ皆川作品で一番好きかも。短編と著者の手記が交互に描かれていると言う構成なのですが、手記と言えば信頼出来ない物…、なのかどうなのか?、が良い塩梅で、オチの納得感に凄く繋がった。

2022/04/17

rinakko

再読。趣を異にする2作品、どちらもとても好きだ。まず表題作では、新人賞以来ぱっとしなかった鏡直弘がアナグラムのペンネームで書いた旅雑誌掲載の花物語と彼の日記、連載を引き継いだ針ヶ尾奈美子の小説…と、事件の真相を記す作中作と小説家のノートが絡み合ってなだれ込む展開に眩暈する。そして「聖女の島」は、初読時における驚嘆は忘れがたく…。だが、また今回もあらためて『トミノの地獄』から繋がっている恐怖が足元をひたひたと浸している読み心地に、戦慄しつつ酔い痴れた。過去の姉妹の相克。封じ込めらた美しい少女たち。血の悦び。

2016/03/07

秋良

千趣会の小冊子に載せてたという表題作。千趣会ってベルメゾンだよね?書く方も凄いし載せる方も凄い。自己愛が強く独善的な主人公にイライラしつつも、廃墟にうっとりする「聖女の島」はじわっと狂気の余韻が楽しめて好き。軍艦島っぽいなと思ったらやっぱりモデルにしたそうで、好きな作家と少しだけ通じ合えた気がして嬉しい。

2017/07/12

ペミカン

たまたま入ったよその図書館で手に取り、私の知る皆川さんの原点のような物に出会えた。「花の旅・・」の最後では、あのエドの物語に繋がる話も出てきて震えた。「聖女の島」も 幻想ミステリ物が初めて面白く感じられた。解説・綾辻行人さんとの交流も楽しく。まだまだこの人に嵌っていきそうです。

2022/05/25

Apollo

表題と「聖女の島」の2篇で構成される本書。さすが「ミステリ秘宝」と名打つだけのものがあった。どちらもフィクションの中にさらに虚実が入り混じり、次元がぐにゃりとゆがむ感覚を覚える。気力が不十分なときに読んだらその歪みに心身をもっていかれそう。そんな磁力がとても怖いのだけれど、その不気味さに酔いしれそうな、危うげな美しさを感じてしまう。

2017/11/14

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