象の背中 (扶桑社文庫 あ 11-1)
象の背中 (扶桑社文庫 あ 11-1) / 感想・レビュー
s-kozy
これは酷い。男の身勝手本。48歳の中堅不動産会社の営業企画部長の藤山は肺ガンにより余命半年の宣告を受ける。この男が甚だ情けない男で愛人はいるは孕ませてしまった女性はいるはただただ自分勝手なひと。単に大人になりきれないまま結婚して子どもを持ってしまったダメ男だ。遂には愛人と配偶者を会わせる暴挙にも出た上で作者は配偶者に「愛人のことはなにも言いません」と言わせてしまう。この点では秋元康の身勝手本とも言える。作者が秋元康だけにところどころ泣かせどころ、感動させどころが盛り込まれていることが、これまた小賢しい。
2016/12/25
Willie the Wildcat
意志。最後の最後での幸一への吐露。人生の棘に向き合い、心の隙間を埋める。自身を曝け出すことへの恐れが、美和子ではなく俊介への病初告白だったのではなかろうか。家族への想いと、家族の想いの交錯。中でも、はるかが彼氏を連れてきた件は、特にグッとくる。一方、巻末の著者の意図を踏まえても、ここまでの主人公の身勝手さはどうなんだろう。私も聖人君子だとは言わないが、美和子が切な過ぎる。嘘も方便?いや、時に思いやりではなかろうか。
2016/03/23
アッシュ姉
貰い本なので仕方なく読んだ。なんじゃこれ。以下、自粛。
2019/04/25
佳乃
何故この本を手にしてしまったんだろう・・・そんなことばかりだった。読んでいる時も、読了後もそこには亡くなった父が被って見えて仕方がなかった。果たされることのない約束をし、亡くなる3週間前に父から言われ・・・その残りの時間私の方が後悔ばかりしていた。父は多くの人に感謝し、別れをし、そして愛する母に「生まれ変わっても一緒に・・・」と。藤山が「まぁまぁな人生だった」というが本人は最高の人生を送ったことだろう。『死ぬということは忘れられることが怖いんだ』・・・本当だと思う。私の人生はこれからどうなんだろう。
2017/05/11
うさうさ
突然、末期ガンで余命半年を宣告された48歳サラリーマンの残された時間の使い方。 女にだらしない主人公にムカムカしながら読み進めたけど、最後まで泣けはしなかった。 私ならどうするかと考えつつ読んだけど、人はそうならないと想像すらつかないのかもしれない。
2017/12/28
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