紳士同盟 (扶桑社文庫 (こ13-1)) (扶桑社文庫 こ 13-1)
紳士同盟 (扶桑社文庫 (こ13-1)) (扶桑社文庫 こ 13-1) / 感想・レビュー
chiru
この前読んだ海外コン・ゲーム小説が最高だったので、国産コン・ゲームも読んでみた。同名の映画とは内容が異なり、映画より数段面白い。会社をクビになった主人公を中心にした、急ごしらえの詐欺チームの下剋上戦。『相手が騙されたと感じないように金だけ盗む』の詐欺哲学を律儀に守る、詐欺初心者の主人公。作者は読者を騙すカードも用意。切り札は“イニシアチブを握ってるのは誰か”。犯罪には関係しない大胆な仕掛けの逆転劇が痛快です。mustからmoreで終わるという粋なラストもよかった。 ★4
2019/06/22
なる
図らずしもコンフィデンス・マン(詐欺師)となってしまった人物たちによる痛快なコン・ゲームの物語。時代がやや昔なので取り上げられる流行がやはり古いし貨幣価値が違ったりしていて、それはそれとして新鮮な感覚で楽しめる。背負ってしまった借金を返すために、元テレビマンたちがコネクションを駆使しながら奮闘する。泡沫の業種であるがゆえにもともと詐欺師のようなものだと嘯きながら、実際に詐欺するのはほぼ素人なのでいつバレるのか、手に汗握る展開がとても面白い。日本におけるコン・ゲーム小説の原点的作品だそうで。原点こそ至高。
2021/01/19
かんらんしゃ🎡
コンゲームドラマは、敵役どころかこちらも騙されて終盤に二転三転、予想も付かないオチが面白い。ただ、「スティング」にしてもドラマ「コンフィデンスマンJP」にしても、大がかりすぎるとオーディエンスのコストや秘密保持にリアリティを失くしてしまう。それに比べ本作の詐欺は派手ではなくチマチマしてるがそれだけに現実味はある。
2018/08/16
とも
★★★★30年以上前に書かれた作品のため背景自体は古いものの、テンポよくコミカルな内容にページを繰るスピードは速まり、現在でも十分に楽しめる。ジャンルははコン・ゲーム(詐欺というらしいが)。登場人物にしても、騙す方・騙される方双方愛嬌があり、そういう意味でも嫌な気持ちにならずにエンドに突入となる非常に好ましい作品。 このまま続編に突入。
2013/09/28
yai
日本初のコン・ゲーム作品。面識があったりなかったりとまばらな(知りあいの知りあい的繋がり)4人の男女が素人ながらに目標2億で大金詐欺を重ねていくお話し。華道、茶道ならぬ詐欺道(ヒドい)を語る老人のもと詐欺に勤しむ彼ら。やってることは犯罪なのに、終始明るくユーモラスな雰囲気で読んでいけます。古い作品なので当時の芸能や時事ネタなどが満載ですが、わからなくても充分楽しめる。東西ミステリーを埋めてなかったら手に取らなかったと思うので、この“ランキング埋め”はやはり新たな出会いの意味でアリかも!と再確認できた作品。
2020/02/17
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