架空の料理 空想の食卓
架空の料理 空想の食卓 / 感想・レビュー
ホークス
リリー氏が出す様々なお題に、イタリアンの凄腕シェフが遊び心を駆使して応える。苦味と機知と下ネタでメニューを解体するリリーと、手品の種を嬉しそうに語るシェフ。写真も美しい。「下戸の女性を酔わせる」には、露骨にエロいピッツァ。「おとぎの国の夜食」では、一夜の素敵なボーナス・トラックを演出。「不死の料理」の「無理して生きる、見ぐるしき者へこそ火の鳥は舞い降りる」の一節が良い。「無理」はロマンが有ってこそ、苦役から挑戦へと昇華する。本書は二人が、料理を大人の道楽として真剣に軽やかに楽しんだ大喜利の様だ。
2017/04/10
ジョニーウォーカー
煙草に似合う料理、嘘のような食べ物、宇宙で食べたい料理…あなたならどんなメニューを想像するだろう? ちなみに表紙は「鬱の時に食べる料理」。雑誌『料理王国』で3年半も続いた企画らしいが、毎回リリーの難解なオーダーに、強烈な創作料理で応え続ける料理人・澤口知之もまたすごい。見た目はまったくそそられない(笑)のに、リリーの文章が添えられることで、無性に食べてみたくなる不思議。けれど、読者は永遠にそのメニューを味わうことはできないのだ。なんという拷問、なんという幻。ある意味『ミシュラン』を超えた、究極のグルメ本。
2011/03/07
これでいいのだ@ヘタレ女王
脱力系対談と斬新な料理のコラボですが、私のハートを鷲掴みにはしてくれなかった。
2015/02/22
そらねこ
料理に関する本はかなり好きなのだが…文章を読むと食欲が減る風変わりな本だった。官能とか恍惚とか性欲とか毎回語られるとなんとも食傷気味になるのは、連載ものを一気に読んだから?【図書館本】
2017/04/02
しまむ
リリーさんの書く文章を初めて読みました。少し気怠くて、正直で面白い。食でこんな風な文章を書くこともできるのかと驚きました。ただ苦手な人もいるもしれない。夜更かしの読書にぴったりでした。
2020/10/16
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