脳あるヒト 心ある人 (扶桑社新書 32)
脳あるヒト 心ある人 (扶桑社新書 32) / 感想・レビュー
さきん
小説家と解剖学者との往復書簡。普段の対談と違って、より一つのテーマを2人の独立した視点で掘り下げられている気がした。小説家は、大衆に受ける物語を作る仕事だと思っていたが、言葉にならないことを言葉にする仕事という説明はとても良いと思った。
2023/01/21
まど
養老先生と角田光代さんの往復書簡のようなエッセイ。体になじんだ自宅に「実はこんな引き出しがあるんですよ」「ここからはこんなに美しい景色が見えますよ」というような感じで、いつも当たり前に捉えていたことに新しい光を当ててくださって、自分の余白が広がったような清々しさ。とても面白かったです。また読み返したい本。おすすめ。
2011/05/09
犬こ
角田さんからスタートして、養老さんへ。二人の間でつながる往復書簡形式のエッセイ。職種の違うお二人だけれど、温度感が似ていて、自然なやりとりに安心感があります。養老さんは、虫の研究がほんとうに好きなようで。
2014/11/30
なおみ703♪
2人の考え方・物の見方の相違が面白い。思考経路が違っても辿りつく解が同じところにいきつく時があるのも面白い。以下気に入った文章◎養老「生きていくのに食べ物はどうしても必要で、それが美味しく食べられたら人生の基本問題は解決である。それ以上、何を望むというのか。」「言葉は文脈に依存し、状況に依存する。」角田「小説とは、未だ言葉になっていないものを自分で何とか捕まえる行為だと思う。この時大事なのは言葉を捕まえることよりもむしろ言葉以前のものを感じるか感じないかということだ。
2017/07/09
佐島楓
おふたりの往復書簡(リレーエッセイ)。現在(いま)を生きる私は、「知らない」ことを「知る」ことで考え、仕事なり勉強なりをし、歳をとっていくんだなあ、と、言葉にしてしまうととても陳腐になってしまうことを考えさせられました。養老先生のライフスタイルを拝見していると、歳を取ることが楽になることなのかなとちょっと思えます。
2012/02/16
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