脳には妙なクセがある (扶桑社新書)
脳には妙なクセがある (扶桑社新書) / 感想・レビュー
やすらぎ
脳に支配される人間。脳の癖は沢山ある。…他人の不幸を喜び、自分をできると勘違いする。つい知ったかぶる。自己矛盾をすり替える。…愛の力は勇気を与える。笑顔を作ると楽しくなる。姿勢を正せば自信が持てる。香りは脳に癒しを、色は脳に刺激を与える。ひらめきと直感、無意識の記憶領域。…私の心はどこにあるのか。人間は人間を知らない。自分のことさえ分からない。なぜ人間は脳をも支配しようとするのか。行く末は暴走か進化か。研究は未来へと進む力になるが、足かせにもなる。正しいという思い込みは、人間の脳にありがちな悪い癖である。
2020/05/10
マエダ
読みやすく興味を引く数々のテーマ、脳髄本の中では非常に面白い部類に入ると思う。雑談や小ネタのようなテーマも著者の現代人に即したものを書こうとする思いが伝わってくる。付箋の数が大量になってしまった。
2016/06/28
かわうそ
★★★★★脳科学がいかに面白いかがわかる本。参考文献の量がとにかく凄い。207もの論文を参照しているのでかなりの説得力がある。刺激の強い匂いを嗅ぎながら単語などを覚えて寝るときもその刺激の強い匂いを嗅ぎながら寝ると嗅覚は大脳皮質に直接届き、海馬を活性化させるので記憶できるものが増える。コーヒーの匂いを嗅ぐことによって遺伝子の発現が活性化されるから飲まずともコーヒーの効果は作用する。右側の角回と言われる部位を刺激すると、被験者の意識は2mほど舞い上がり、天井付近から別途に寝ている自分が見えるという。
2016/09/24
R
脳の働きや不思議について書いた、脳の雑学本でした。非常に面白い、脳科学の様々なトピックスをわかりやすく理解できる素晴らしい内容。錯覚が起きる仕組みや、それを利用した不思議な模型の存在だとか、物凄く高度かと思うと、えらいポンコツだったりする不思議さが様々にあって、研究者を捕らえて離さない魅力があるのが十分に伝わってきました。睡眠の謎なんかもあったりしつつ、記憶や習慣、意識の発露が思うよりも前に起きているだとか、ともかく哲学にまで踏み込む不思議がいっぱいでした。
2018/08/08
美登利
のうだまの池谷先生のお話が面白かったのもあり、またタイトルにも引かれて読みました。脳科学、様々な実験についての紹介から、池谷さんが研究したこと、多くの人が誤解や思い違いをしていること。かなりの厚さのある本ですが、よく分かる例えなどを引用してあり、難しい脳に関する話がとても分かりやすくなっています。若い人に読んで欲しいですが、この本を読むと年を取ることが嬉しいような誇らしい気分にもなります。よりよく生きるためには良い経験をすることなのですね。どの話が良かったかなんて決められないほど中身の濃い一冊です。
2014/11/16
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